名将が再建したジュビロ磐田は最後まで強かった。今季最終戦で秋田に2-1勝利。」前半6分にDF小川大貴(30)が右足で先制すると、後半34分、MF鹿沼直生(23)のJ2初得点が決勝点。クラブ記録の19戦負けなしで締めくくった。体調不良で療養していた鈴木政一監督(66)は7試合ぶりにチームを指揮。選手たちは、今季限りで退任濃厚な指揮官へ白星をささげた。

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勝利を告げる笛が鳴ると、鈴木監督はスタッフらと喜びを分かち合った。試合後のセレモニーではJ2優勝皿を掲げ、選手の手で4度宙を舞った。今季27勝目で、積み上げた勝ち点は「91」。人とボールが連動する攻撃的スタイルを作り上げた指揮官は「指導者冥利(みょうり)に尽きる。ありがたい」と笑った。

今季は開幕2連敗したが、自らの指導法を信じた。「やりたいサッカーを続け、改善してきたことで結果につながった」。言い続けてきたことは「J1でも戦えるチームにすること」。目先の勝利に固執せず、選手の成長も促してきた。

2002年のJ1制覇に導いた指揮官は昨年10月、16年ぶりに磐田監督に復帰。古巣の来季J1昇格を決めた。3季ぶりとなる舞台に向けて「必ずいい結果を出してくれる」と思いを託した。その表情は晴れやかだった。【神谷亮磨】

○…FWルキアン(30)が22得点でJ2得点王に輝いた。この日は後半34分にMF鹿沼の決勝点をアシスト。無得点に終わったが、勝利に導く仕事を果たした。磐田からの得点王は15年(当時J2)のFWジェイ(39=現札幌)以来6季ぶりの快挙。来季J1復帰に貢献したブラジル人助っ人は「多くの試合に出場できたことが大きい。日々の小さな努力を積み重ねてこられた」と胸を張った。