世界が注目する高川学園(山口)が、14大会ぶりのベスト4に進出した。決勝点は途中出場のFW西沢和哉(3年)の“アドリブ”の動きからうまれた。

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0-0の後半11分。右CKから3人ずつの“グルグル円陣”をニア、ファーにつくった。作戦ではニアがファーに流れ、ニアのスペースを空け、ファーの3人がそこに流れ込む予定だった。ファーサイドにいた西沢は「意外にニアが空いていない。1人だけ残っていたら、流れてくるかな」と、1人だけ残った。狙い通り、相手のクリアミスが、自分の足元に。3回戦の対仙台育英(宮城)に続いて2戦連発の決勝ゴールを押し込んだ。

“グルグル円陣”の正式名称は、スペイン語で「嵐」を意味する「トルメンタ」。今回は少しの“グルグル”だったこともあり、西沢は「少しトルメンタですかね(笑い)。あんまり回っていなかったので(笑い)」と笑いを誘った。チームは初戦から4試合連続でセットプレーから得点。高川旋風が止まらない。準決勝は、青森山田(青森)。西沢は「あと2つ勝ちたい」と意気込みを口にした。

◆トルメンタ 高川学園が、セットプレーの際に駆使する奇策。中で待つ数人が円陣をつくり、グルグルと回転しながら動きだす。円陣の人数は、さまざま。手をつなぐ時もある。山口県大会前に、FW中山桂吾(3年)が「マークが付きにくい」と考案。部室前のボードに貼ってあった磁石の形からヒントを得た。スペイン語で「嵐」「旋風」を意味する言葉が語源。選手が運営する高川学園サッカー部の公式ツイッターで、正式にこの名が発表された。

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