第100回全国高校サッカー選手権の準決勝(8日)で、関東第一と対戦する予定だった大津(熊本)の山城朋大監督(32)が同日、会見した。

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関東第一は選手2人に新型コロナの陽性反応がみられたため、7日夜に辞退を発表した。

山城監督は「昨日8時の(辞退の)報告で動揺が隠せなくて、今日の午前練習も少し元気がなかったけど、平岡(和徳)総監督から『関東第一のぶんまで、今できることは決勝に向けていい準備をすることだけだ』とお話をいただいて、そこからどうにか表情がよくなって、いい雰囲気で練習ができました」と、昨夜から今朝までのチーム状況を明かした。

勝ち上がっているチームから新型コロナ感染者が出るのは、今大会初めて。山城監督は「決勝に勝ち上がったという喜び、安堵(あんど)もゼロではない」と正直な気持ちを明かしつつ、「関東第一さんとの準決勝に向けて、いろんな方からメッセージを頂いたりしていたので、そこがなくなって、ぽっかり穴があいたよう。(選手は)横に並んでみんな座っていても、一言もしゃべれない時間が続きましたね」と明かした。チーム内には、大きな動揺が広がっているようだ。

大津も関東第一同様に、大会期間中の検査を受けている。山城監督は「今朝の抗原検査はみんな一言もしゃべらずに、自分の検査結果を食い入るように見ていて、次は自分たちの可能性もあるんだと感じました」と、どれだけ気をつけていても感染しうるウイルスの脅威を口にした。

いまだ動揺はあるが、決勝は2日後にやってくる。山城監督は「今日平岡総監督も選手に話していたけど、ここまで来たら結果うんぬんにこだわるのでなく、今までやってきたことを精いっぱい出し切って、熊本、九州の方、(7日になくなった長崎総合科学大付の)小嶺(忠敏)先生、関東第一さんの思いを背負って戦おうと話していました」。悲願の初優勝に向けて、気持ちを切り替えて挑む。

◆大津のここまでの戦い 1回戦は中部第一(愛知)に5-0、2回戦は「赤い彗星(すいせい)」の異名を持つ強豪・東福岡に4-0と、ともに大勝。3回戦も佐賀東を3-1で破った。準々決勝は強豪の前橋育英(群馬)を相手に、前半11分に先制すると1点を守り抜いて勝利。攻守両面で力を見せてきた。準決勝は関東第一(東京B)が出場辞退となったため、不戦勝での勝ち上がりとなった。

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