23-24年シーズンからのWEリーグ参入を目指すことになったセレッソ大阪堺レディースに、スーパー15歳が誕生し、開幕戦は劇的白星スタートを切った。

中学を卒業したばかりのFW栗本悠加(15)が後半ロスタイム、爆発的なスピードで相手選手の背後から詰め寄り、右足で決勝点を奪った。これがなでしこリーグデビュー戦。本来は下部組織にあたる18歳以下で構成されるC大阪堺ガールズ所属だが、トップリーグへの抜てきを受けて後半17分から途中出場した。

「監督からはゴールを取れとだけ(言われていた)。あれは自分のゴールというか、みんなの意気込みが点となりました。(0-0で)状況が変わらないままだったので、得点を決めたい思いで出場した。これからも頑張ります」

ヒロインインタビューを受けた15歳は、照れながら観客1181人が詰めかけたスタンドに手を振った。155センチ、46キロの未来のなでしこジャパン候補は、4月からはC大阪と提携する私立大阪学芸高(大阪市住吉区)に進学する。

この日の先発メンバーの平均年齢は19・3歳。その中で、栗本と同じ15歳のDF木下日菜子は先発出場を果たし、ベンチ入りを含めれば計4人が下部組織から抜てきされた。

竹花友也監督(47)は「(若手は)従来の選手よりも技術的にいいし、スピードがある」と評価。東京五輪代表にOGのDF宝田沙織やMF林穂之香を送り込んだ、C大阪堺らしい育成力を示した。

C大阪堺は昨年、現在開催中の国内初の女子プロリーグ、第1回WEリーグへの参入を時期尚早の理由で見送ったが、現在はプロ化への準備を急ピッチで進めており、23-24年シーズン参入を目指している。

21年はアマチュア最高峰の位置付けになったなでしこリーグで3位に入ったC大阪堺は、今回が最後の同リーグ戦になる見込みで、優勝で有終の美を飾るつもりだ。