J3アスルクラロ沼津の渡辺隆司社長と静岡県サッカー協会の大石剛会長らが22日、静岡県庁を訪れ、川勝平太知事に来季もJリーグで戦うための協力と支援を呼びかけた。

クラブは現在、J3ライセンスを失う危機に陥っている。本拠地の県営愛鷹広域公園多目的競技場(沼津市)の照明の明るさが基準に達しないためだ。今春までに照明改修のめどを立てなければいけない状況で、渡辺社長は「施設基準のことで(JFLに)降格することだけは絶対に避けなければいけない」と訴えた。

クラブライセンス維持には照明の改修が必須条件。現在の明るさは500ルクス。Jリーグのナイトゲームを行えるスタジアム基準は1500ルクス以上が必要となっている。2017年からの専門調査の末、改修費は約1億円と試算。クラブはクラウドファンディングや地元企業からの寄付で約5000万円が集まっていると説明した。

川勝知事は協力に前向きな姿勢を示した。「沼津は東部地域のシンボル。何とかこの苦境を一緒に乗り越えるために、できる限りのサポートをしたい」と約束した。沼津は17年に静岡県東部地域では初のJクラブとして誕生。渡辺社長は「照明改修のための資金は何とかめどが立っている。地域の活性化や夢をみる子どもたちのために全力を尽くしたい」と強調した。