Jリーグは26日に理事会を開き、日本フットボールリーグ(JFL)鈴鹿ポイントゲッターズが停止されている「百年構想クラブ」資格について、6月の理事会まで継続審議とすると発表した。

処分対象は20年11月の試合で、クラブ幹部による意図的な敗退行為の指示があった。4月5日に日本サッカー協会の規律委員会からもクラブ幹部などが処分を受けていた。

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「百年構想クラブ」資格はJ3昇格に向けた条件となっている。クラブライセンス担当者は解除条件として「クラブからの体制改善の案、ホームタウンの鈴鹿市の支援継続のレターなどが出てから議論になる」と説明。現時点では鈴鹿から改善案の提出は受けていないとし、「(人事の)方向性のお話はもらっているが、決まってないのでお話をするのは控えたい」と述べた。

6月に資格停止処分が解除されなかった場合は、資格は一度失格の可能性もあり、その場合は再申請をすることになるという。

野々村芳和チェアマンは「改善と言っても、1、2カ月で簡単にできるものでもない。6月のリミットがあれば、そこまで検討頂く時間をもってもらい、こちらも頂いて検討したい」と見据えた。

◆敗退指示の背景 16チームが参加したJFL20年シーズン。最終節を残し、J3ライセンスを持たず、昇格も降格もない鈴鹿にとっては「消化試合」だった。J3ライセンスを保持するテゲバジャーロ宮崎、この時点でJ3昇格が決まる4位以内が確定。ほかにいわきFC、ヴィアティン三重、FC大阪が最終節の結果次第でJ3に昇格できる可能性があった。鈴鹿も翌シーズン以降のJ3昇格を目指しており、先に複数チームに昇格されるのは望ましくない上、特に同一地区で利害関係がかぶってくるV三重に先行されるのは避けたかった。ここで鈴鹿が負けることでソニー仙台、ホンダFCが4位以内をキープすれば、すべて丸く収まるとの結論に至ったようだ。

◆鈴鹿の八百長未遂 鈴鹿の幹部らは、20年11月29日の最終節ソニー仙台戦に敗れた方が他クラブのJ3昇格を阻む可能性が高くなると判断し、チームに敗戦を指示。激しく反発されたため、社長が方針を撤回。試合は0-1で敗れた。21年12月に鈴鹿の元役員がツイッターで不正を暴露し、Jリーグは2月末に鈴鹿の「百年構想クラブ」資格を条件付きで停止。JFL規律委員会が調査したが、意図的な操作で負けたとは認められなかった。日本サッカー協会は4月5日、クラブに500万円の罰金、元役員に2年間、オーナーに3カ月、社長に1カ月のサッカー関連の活動を禁じる処分を発表した。

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