アルビレックス新潟は敵地でFC町田ゼルビアに1-2で競り負けた。9戦ぶりの敗戦で首位から3位に後退した。0-2の後半ロスタイム、後半途中出場のFW鈴木孝司(32)がPKを決め1点差としたが反撃が遅かった。チームは11日からの3日間で5選手が新型コロナ陽性判定を受けた。濃厚接触疑いのあるメンバーなども招集外になるなど、ベストな布陣が組めなかった。それでもプロデビューとなったMF吉田陣平(19)が短い出場時間ながら好プレーを見せ、存在感を示した。

新潟はここ8試合未勝利だった町田に競り負け、首位の座を仙台に明け渡した。0-2の後半45+4分。後半途中出場の鈴木がPKを冷静に沈めて1点差に迫る。その後も敵陣に攻め込み、最後の右CKではGK小島亨介(25)も攻め上がるなど執念を見せたが、ドローに持ち込むことはできなかった。町田には昨季から3連敗。今季初の3連勝も逃した。鈴木は「出場時間が短い選手たちで団結して臨んだが勝ち点を取れずに悔しい」と唇をかんだ。

11日以降、5選手の新型ウイルス感染が判明。14日は濃厚接触疑いのある選手やケガ人を除く少人数のメンバーで前日練習に臨むなど不測の事態の中での試合だった。前節8日の東京ヴェルディ戦から5人を入れ替えたチームは相手の5バック気味の守備に手を焼くと、前半29分にFKをたたき込まれ0-1。後半4分には元新潟のFW鄭大世(38)に追加点を奪われた。

反撃の糸口を見いだしたい新潟は後半30分に鈴木、FWゲデス(28)、FW小見洋太(19)を同時投入。プロデビューとなった吉田は同36分からピッチに入ると中盤を動き回ってボールを引き出し、長短のパスで攻撃にリズムを作り出した。「監督からは攻撃に専念してほしいと言われた。デビューできたけど結果を残せず悔しさの方が大きい。試合を決める選手にならないと」と振り返った。

次節21日はホームに戻り、2位横浜FCと対戦する。鈴木は「今日ですべてが終わったわけではない。ゴールに向かう良さを継続し、しっかり準備したい」と前を向いた。【小林忠】