逆転負けで3連敗を喫したガンバ大阪は、順位は15位に後退した。残留争いに巻き込まれそうな気配だが、心強い2人のベテランがピッチに戻ってきた。

1人は4月10日の清水エスパルス戦以来の復帰となったキャプテンのMF倉田秋(33)だ。

連続失点で逆転を許した直後の後半17分、背番号10が途中から投入された。4月に左ふくらはぎの肉離れで離脱。全治は公表されていなかったが、約8週間程度の重傷だったようだ。

2カ月以上も戦列を離れていた倉田は、劣勢の時間帯にハードワークで挽回しようと必死だった。

「これだけ長く試合に出ていなくて、早く復帰したい気持ちがあった」と話し、この日の本拠地は「いつもと違う景色だった」と、特別な感情を抱いての出場となった。

「(片野坂)監督がせっかく使ってくれたのに、流れを引き寄せられなかったのが悔しい」

今季ようやく8試合目の出場。J1通算355試合目(54得点)という経験も実力も備えた存在は、やはりチームに必要だ。

もう1人は3月に右膝を手術し、この日が今季初出場で先発となったGK東口順昭(36)だ。試合前の練習時からサポーターの拍手を最も受けていた。

「感覚的に難しい部分はあったが、今日のファーストプレーで正しい判断ができたので、入り方としてはよかった。(味方が)先制してくれ、比較的落ち着いてプレーできた。(後半に逆転負けしたが)前半は手応えがあった。あれ(攻撃的な姿勢)を続けていけば上にいける」

偶然とはいえ、東口もこの日で倉田とまったく同じ、J1通算355試合目の出場だった。2人の歩んできた道は今後、G大阪の完全復活という目標に向かう道になる。

倉田は「勝って(東口と)2人で喜びたかったが、終わってしまったこと。連戦は続くし、切り替えていきたい」と話す。約1万9000人が詰めかけたホームで、2人の主力が後半戦の逆襲を約束した。