珍しいシーンだった。同点に追いついたアビスパ福岡が、その直後、名古屋グランパスに勝ち越し点を故意に決めさせる場面があった。

1-0で名古屋がリードしていた前半21分。福岡はMFジョルディ・クルークスが同点ゴールを決めた。

実はこの直前、ワケありの事態があった。福岡に負傷者が出て、名古屋はいったん、外にボールを出した。ルールで決められているわけではないが、スローインで福岡は名古屋にボールを戻す場面だった。しかし、そのボールを、福岡FWルキアンがカットして、そのままゴール前にパス。MFクルークスがゴールを決めてしまった。

「紳士協定」を破られた形の名古屋の選手やベンチは猛抗議。その後、監督同士の話し合いの結果、福岡が名古屋に1点を与えることになった。再開後、福岡は守備をせず、名古屋FW永井謙佑がゴールを決めて勝ち越した。

いろいろあった試合だったが、結局名古屋が3-2で福岡に勝利した。名古屋の長谷川監督は「気持ちで負けることなく、しっかり戦えたことが勝ち点3につながった」と話した。