静岡県勢2チームが4強入りを決めた。藤枝順心高は1-0で名古屋経大(愛知)に完封勝利。静岡SSUボニータは7-1で聖カピタニオ女子高(愛知)に快勝した。J3藤枝の女子チーム・ルクレMYFCは、0-5で愛知東邦大に完敗した。10日に静岡市・清水J-STEPで準決勝が行われ、藤枝順心高はヴィアティン三重レディースと、静岡SSUボニータは愛知東邦大と対戦する。

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藤枝順心高FW辻沢亜唯(あい、2年)が、1発で大学生を退けた。後半28分、ゴール前で味方のシュートのこぼれ球に反応。左足でゴール左上に突き刺した。ピッチ上でチームメートから祝福され、歓喜の輪をつくった。「前半にチャンスを逃したので、得点できて、ほっとしました」と振り返った。

先月23日からU-17女子日本代表のフランス遠征に参加。今月2日に帰ってきたばかりだった。実戦3試合のうち、U-18フランス代表戦(2○0)で1得点。約1万キロの空路移動の後でも、プレーの精度を保った。「疲れはありません。とにかく今日の試合で勝つことに集中していました」。今大会ベスト4に導き、本大会出場3枠に向けて、あと1勝に迫った。「どんな試合でも得点を決めて、チームに貢献していきたい」と力を込めた。

同校はコロナ禍のため、メンバーが不足し、辻沢ら同代表3人がこの日、出場した。中村翔監督(33)は「休ませたかったが、辻沢がよく決めてくれた。暑さの中、選手全員が与えられた役割をこなし、粘り強く戦ってくれた」と感謝した。今夏の全国総体1回戦敗退からの再起に向けて、常勝チームが新たな1歩を踏み出した。【山口昌久】

◆辻沢亜唯(つじさわ・あい)2005年(平17)12月17日、福岡県北九州市生まれ。同市の二島(ふたじま)FCとFCグローバル(同県宗像=むなかた=市)でプレーした後、昨年春に藤枝順心高入学。U-14日本女子選抜など、年齢別代表の常連。身長156センチ。

■藤枝順心OGの中京大・堀「プレッシャーに負けないで」

中京大(愛知)は、なでしこ2部リーグのヴィアティン三重レディースに0-1で敗れた。DF堀真綾(まあや、2年=藤枝順心高出)は、準決勝での母校との対戦を逃した。「社会人チームにあと1歩でした。後半は足が止まってしまい、残念」。高校時代は全日本女子選手権でチーム初の2連覇を達成。自身の試合前の母校勝利に刺激を受けて、準々決勝に臨んでいた。後輩たちに向けて「藤枝順心の選手には、プレッシャーがついて回る。自分にもプレッシャーがあった。負けないで頑張ってほしい。応援しています」とエールを送った。