アルビレックス新潟はFC琉球を3-0で破り、2試合ぶり白星で20勝に到達した。勝ち点は68となり、栃木SCと引き分けた横浜FCと並んだが、得失点差で上回り、8節ぶり首位に立った。MF高木善朗(29)が14試合ぶり1試合2得点をマーク。後半10分、自身今季8得点目で先制すると、同30分に2点目をゲットした。同40分には途中出場の新外国人選手、FWアレクサンドレ・ゲデス(28)が移籍後初ゴールを奪い、ダメ押しした。次節14日、ヴァンフォーレ甲府とアウェーで対戦する。

ビッグスワンに大歓声が響く。その中心に高木がいた。0-0の後半10分、一瞬の隙を突く。DF渡辺泰基(23)の左サイドからのロングスローをゴール正面で待った。浮き球を相手守備の背後に回りながら受け、GKとの1対1を作る。落ち着いて左足を振り抜きゴールネットを揺らした。

その20分後には勝利を決定づけるゴール。パスを走りながらもらい、ペナルティーエリアに入って再び左足を一閃(いっせん)。アウェー大分戦以来、14試合ぶり1試合2得点。今季自身9得点目を決めると、ユニホーム胸のクラブエンブレムに触れながら観客席に向かい手を上げた。

この試合から一部の観客席で声を出しての応援が解禁になった。約2年10カ月ぶりに声援と応援歌がホームスタジアムを包んだ。20年以降に加入した選手にとっては初体験するホームの雰囲気。その中で新潟在籍5年目の高木は、これまでも何度も浴びた声援の快感に笑顔で浸った。

さらに後半40分にはゲデスが移籍後初得点。攻撃は盤石だった。松橋力蔵監督(54)は「それぞれの良さが結びついた得点」と言った。前半はブロックを作る琉球の守備に苦しんだが、焦りはなかった。丁寧にパスをつなぎ、スペースが見えた時には縦に入れる。長いボールで裏も狙った。

この試合前まで横浜FCを勝ち点2差で追い、3位岡山とは勝ち点5差だった。昇格争いが緊迫感を増す中、やるべきサッカーを貫いた。その成果が3得点と首位奪回。昇格へ声援とともにチームのボルテージも上がった。

松橋監督「多くのサポーターに囲まれ、勝利を届けられた。それぞれの特長を出し合ってくれた。(先制につながった)ロングスローは今週のセットプレーでコーチから指示があった」