藤枝MYFCが、来季のJ2昇格に望みをつなぐ貴重な1勝を挙げた。

ホームで4位松本山雅FCに1-0で完封勝ち。後半43分、MF榎本啓吾(23)が決勝ゴール。昇格を争うライバルとの直接対決を制し、クラブ2位タイの8戦負けなし(6勝2分け)で3位を死守した。

「昇格レース」の生き残りを懸けた大一番は、最後にドラマが待っていた。0-0で迎えた後半43分、右サイドから攻撃を展開すると、相手のクリアボールがこぼれてきた。榎本は「エリア内に入っていけば、何か起こると思った」。自陣から長い距離を走り、味方からのパスを受け、左足で決勝点。2戦連発弾で勝負を決定付け、「みんながボールをつないでくれたので、みんなのゴール」と仲間に感謝した。

6月の前回対戦はアウェーで0-2。ロングボールを多用する相手に押し込まれた。須藤大輔監督(45)は「苦い思いを今日の試合でぶつけることができた」。球際の攻防でも対等に戦い、守備も無失点。ホームで借りを返した。

今季は残り6試合で、J2自動昇格圏の2位鹿児島と勝ち点1差。GK内山圭(29)は「僕らは勝ち続けるしかない」と先を見据えた。上位の背中を追いながら、J2への道を切り開く。【神谷亮磨】