両チームが望まない痛み分けとなった。清水エスパルスとジュビロ磐田の「静岡ダービー」は1-1。前半34分、清水FWチアゴ・サンタナ(29)がセットプレーから先制点を奪った。磐田は1点を追う後半ロスタイムに、FWジャーメイン良(27)が左足で同点弾。来季のJ1残留に向け、互いに勝利が求められていた一戦はドローに終わった。清水は来季降格圏の17位から16位に浮上。最下位の磐田は、次節ガンバ大阪戦で引き分け以下なら、クラブ史上3度目のJ2降格が決まる。【神谷亮磨】

    ◇    ◇    ◇  

またしても同じ光景が広がった。清水は1点リードの後半ロスタイムに痛恨の失点。勝利目前で勝ち点3を取りこぼし、ホームの観客席からため息が漏れた。敗者のようにうなだれる選手らにはブーイングも起きた。今季ロスタイムでの失点はリーグワーストの「8」。課題だった終盤での試合運びは改善されず、ゼ・リカルド監督(51)は「コメントするのも難しい状態」と声を絞り出した。

前半は理想の展開だった。同34分、右CKからFWサンタナが左足でネットを揺らした。エースの2試合ぶりゴールで先手を取ると、守備陣も高い集中力を保ちながらゴールを死守。サポーターがつくり出したホームの雰囲気も選手を後押した。だが、後半は押し込まれる展開が続き、「魔の時間」に突入。この日も耐えきれなかった。

勝てば13位に浮上していたが、痛すぎるドローに終わった。ホーム最終戦となる次戦は、難敵鹿島アントラーズが相手。FW北川航也(26)は「真摯(しんし)に向き合ってやるしかない。次は勝つ」と必死に顔を上げた。