両チームが望まない痛み分けとなった。清水エスパルスとジュビロ磐田の「静岡ダービー」は1-1。前半34分、清水FWチアゴ・サンタナ(29)がセットプレーから先制点を奪った。磐田は1点を追う後半ロスタイムに、FWジャーメイン良(27)が左足で同点弾。来季のJ1残留に向け、互いに勝利が求められていた一戦はドローに終わった。清水は来季降格圏の17位から16位に浮上。最下位の磐田は、次節ガンバ大阪戦で引き分け以下なら、クラブ史上3度目のJ2降格が決まる。【神谷亮磨】 

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反撃が遅かった。磐田は1点を追う後半ロスタイム、左サイドを崩すと、FWジャーメインが左足で同点弾。土壇場で試合を振りだしに戻したが、追加点が奪えなかった。渋谷洋樹(ひろき)監督(55)は「勝ち点3を取らなければいけなかった」。攻撃的な姿勢を見せて盛り返した後半の戦いぶりを、試合開始から見せたかった。

前半は相手に押し込まれ、見せ場すらつくれなかった。前半のシュート数は3本。昨夏まで清水に在籍していたMF金子翔太(27)も「アイスタの一体感に面食らってしまった部分はある」と、雰囲気にのまれた。勝たなければいけない重圧も重なったことで積極性を欠き、無得点。消化不良に終わった前半45分間が、結果に響いた。

次戦アウェーで迎える17位G大阪との下位対決で引き分け以下なら、来季のJ2降格が決まる。勝っても、残留を争うライバルの結果次第で希望が絶たれる一戦になった。指揮官は「必ず勝ちたい」と切り替えたが、目標の残留は風前のともしびとなった。