「聖和学園のシュンスケ」が自慢の左足でみせた。
後半8分。左サイドのフリーキックから、聖和学園(宮城)のDF雫駿介(3年)がゴール中央にハイボールを蹴り込んだ。「いいボールを蹴るだけでした」。FW桃原がヘディングで合わせて先制すると、今度はその4分後。右サイドのフリーキックでまたも雫がゴールへ向かってボールを蹴り上げた。MF榁木が頭でずらして追加点。大分に勝利し、チームを5大会連続となる初戦突破へ導いた。
横浜出身で、レフティーで、名前は駿介。「左利きでシュンスケという名前で、あこがれというか意識があります」。もちろん、その人の名は…。今季限りで現役を引退した元日本代表の中村俊輔氏(44)だ。横浜F・マリノス時代からプレーを見続け、あこがれていた。「中村俊輔選手はすごく腰をひねるので、まねしてみたりしていました」。そんなあこがれの存在が幾度と伝説を作ってきたフリーキックで、この日は自身が相手の脅威となった。
チームは「ドリブルサッカー」が持ち味。「あまり期待していないセットプレーで点が入って助かった」と振り返った加見成司監督(50)も、雫の左足には「彼のキックはうちの武器」と一目置く。全体練習ではドリブルやパスに時間を割くが、雫は自主練習で「いい位置からのフリーキック」を繰り返し、磨きをかけてきた。
積み重ねが実り、全国の舞台でセットプレーから2アシスト。「自分自身で、このチームに武器ができたと思っている」。唯一無二の左足でチームメートと異なる輝きを放つ。



