J1アルビレックス新潟は高知キャンプ9日目の25日、高知市の春野総合運動公園で今季初実戦となる練習試合(30分×3本)でJ3・FC今治と対戦し、6-0で大勝した。1本目の14分にFW鈴木孝司(33)が先制点を挙げると、同29分に再び鈴木がDF堀米悠斗(28)の左クロスを右足で合わせ追加点を決めた。新戦力のDF新井直人とFW太田修介(ともに26)も随所で光るプレーを見せ、存在感を示した。6年ぶりに挑むJ1での戦いに向け、17日から始まった高知キャンプ。29日にも練習試合(非公開)を行う予定。

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エースが2得点の貫禄を見せつけた。鈴木は1本目の14分、ゴール前で相手最終ラインの横パスを奪うと一気に加速。最後はGKを冷静にかわして先制のネットを揺らす。29分にはペナルティーエリア左をえぐった堀米のクロスにタイミング良く飛び込み、右足ワンタッチで追加点を決めた。2度のチャンスを確実に仕留めた背番号9は「今季初実戦にしては動けたし、いいテンポで攻撃できる回数も多かった。うまく連動して得点できた」とうなずいた。

高知キャンプ9日目。選手たちは蓄積した疲労を感じさせない好パフォーマンスを披露。次々と相手ゴールを襲い、計6得点を奪った。松橋力蔵監督(54)は「まだまだ、やることはたくさんある」と話しながらも、「戦術より本質の部分。DFの選手やダイナミックな得点もあった。ゴールに向かうスピードも悪くなかった」と評価。新戦力の太田、新井を交えての初実戦には「(2人に限らず)戸惑う場面もあったが、個々の良さは出ていた」と手応えを示した。

約3週間後に迫った6年ぶりのJ1リーグ開幕戦(2月18日、C大阪)に向け、既存の選手が多く残ったチームは激しいポジション争いを繰り広げながら、個々のプレーの質、チームの総合力を高めて行く。今キャンプ2戦目の練習試合は29日。この日2得点の鈴木は「ゴールを奪うためのイメージの共有やチャレンジを全員で繰り返しながら、いい準備をしたい」。初陣での収穫を次戦へとつなげる。【小林忠】

■新戦力も活躍

J1C大阪から3年ぶりに復帰した新井は2本目に出場。右サイドバックに入り、好クロスで左MFシマブク・カズヨシ(23)のチーム3点目につながるゴールを演出した。またJ2町田から新加入の太田は2本目の16分から約45分間プレー。右MFの位置からスピードに乗ったドリブルや背後への抜け出しを繰り返した。太田は「ゴールやアシストといった結果は出せなかったがポジティブにとらえている。ここからもっとコンディションを上げていきたい」と話した。