笑顔での新たな船出とはいかなかった。

川崎フロンターレが、ここ12戦無敗だったホームでの開幕戦で黒星を喫した。オープニングゲームでの敗戦は、13年のアウェー柏戦以来10年ぶりで、得意としていたスタートダッシュに失敗。前半2失点から逃げ切りを許し、鬼木監督は「勝たせられなかったことに悔しい思いはある」と唇をかんだ。

“新”メンバーが並んだが、熟成には時間が必要。桐蔭横浜大卒のFW山田新(しん)は途中出場でJデビューを飾るも、得点には結びつかなかった。0-2の後半ロスタイムに、新キャプテンのMF橘田が1点を返すも反撃は及ばず。「早めに決めきらないといけない」と振り返った。

“新”システムもトライした。後半途中、攻撃時に4バックから3バックとし、右サイドバックのDF山根をボランチに置く新たなオプションを敢行。連係に課題を残したが、鬼木監督は「やり続けることが重要なのかな」と言った。

“新”たな景色だった。全席で声出しが解禁。指揮官は「選手はパワーをもらったと思います。出来れば、同点、逆転までいきたかったけど。声は選手を勇気づけてくれる。こういうものが日常になってくれたらいい」。覇権奪回を目指す23年シーズン。悔しさから、新時代を目指す川崎Fの挑戦が始まった。【栗田尚樹】

○…主力組の次節への出場が危ぶまれる。スタメン出場したMF家長は、キャンプ中に負った左足関節外側靱帯(じんたい)損傷の影響もあり、大事を取って前半のみで途中交代。CBに入ったDF車屋は、後半途中に負傷で代わった。鬼木監督は「(家長は)ぶっつけ本番、完全な回復ではない。車屋は、ハムなのかな」と説明。早期回復を目指す。

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