満身創痍(そうい)の川崎フロンターレが、大卒1年目のFW山田新(22)の初ゴールを号砲に、後半44分からの2得点で鹿島アントラーズに逆転勝ちし、今季初勝利を手にした。

FWレアンドロ・ダミアンと小林悠は負傷離脱中で、センターバックの要のDF車屋紳太郎が負傷離脱し、DFジェジエウは出場停止。左サイドバックのDF佐々木旭は体調不良でベンチスタート。左サイドバックは中盤が本職のMF橘田健人が務め、センターバックはDF山村和也と今季加入の大南拓磨が務めた。第2節で早くも総力戦の状況。前半5分に先制を許し、後半38分にはDF山村がレッドカードで退場。00年以来、23年ぶりの開幕2連敗が現実味を帯びてきた。

それでも王者は底力を見せた。後半44分、相手DFのクリアボールをMF家長昭博がバイシクル。そのボール山田新の前に来た。山田は右足でカンフーキックで押し込み、同点。後半アディショナルタイムには、家長がPKを決め、土壇場で勝ち越し、勝ち点3を手にした。

後半34分からピッチに入った山田は「自分がアカデミー時代に見ていても、フロンターレは数的不利でも得点が奪えるチームだと思っていた。自分としてはあせらずに、絶対にチャンスがあると思っていた。気持ちでは落ちずに準備できていた。その結果がゴールにつながった。気持ちで押し込めた」と振り返った。

横浜F・マリノスとの開幕戦で途中出場したが、気持ちが前に出すぎて不完全燃焼に終わった。それだけに、今節は「今までの自分を信じていつも通り」を心がけた。出場2試合目での初得点に「少ない出場時間で得点を残せたのは大きい。自分は今季の目標は10得点以上。1、2試合目で取れないと厳しいと思っていた。決められて良かった」と話した。

川崎Fのアカデミー育ちで、桐蔭横浜大を経て今季加入した。先発したFW宮代大聖とはアカデミーの同期だ。高卒でプロ入りした宮代とは同じポジションで良きライバルでもある。今季初ゴールは、山田の方が早かった。山田は「(宮代より)先に点を取ろうという思いはあった。大学でプロ入りした同期の中でも一番先に点を取りたかったので良かった」と笑みをこぼし「スタメンで出てやれてからこそ自信につながると思う」とポジション奪取へ燃える思いを口にした。

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