青森FCが、PK戦の末に6年ぶり2度目の優勝を飾った。4連覇を狙うベガルタ仙台(宮城)との決勝戦は3-3のまま、3分ハーフの延長戦に突入。それでも決着がつかず、PK戦で勝利した。優勝した青森FCと準優勝のベガルタ仙台は、全国の強豪16チームによる「JA全農チビリンピック2023」(5月3~5日、神奈川・日産スタジアム)で行われる決勝大会の出場権を獲得した。

青森FCのPK3人目、田中葵人(5年)が蹴ったボールがゴールネットを揺らした。その瞬間、選手たちは全速力で駆け寄り抱き合う。「やった!」「勝った!」。叫び声は、次第に涙声になっていく。ベンチで出迎えた伊藤豪監督も「何も言えないよ。応援してくれた人たちにあいさつしよう」と、目を真っ赤にして声をかけた。

決勝は4連覇を狙うベガルタ仙台が相手だった。伊藤監督は「技術、走力…すべてで相手の方がいいサッカーをする。東北で頭一つ抜けているチームだと思う」と見ていた。ただ、試合前に選手に向かい「強い相手だが、リスペクトしすぎる必要はない。自分たちの力を全部出し切ろう」と声をかけた。

1ピリオド(P)で先制されるも、2Pで同点に追いつく。3Pは先に1点を取るも、再び追いつかれる展開になった。延長戦は互いに無得点で、PKに入った。伊藤監督は「最後は2Pのメンバーが勢いをつけてくれ、全員で勝った試合でしたね」と、喜びもひとしおだった。

チームを引っ張ったのは主将の鳴海善之介(5年)だった。上級生チームでプレーする機会が多かったが、同級生との現チームとなり、リーダーとしての自覚が芽生えた。鳴海は「苦しい時は『大丈夫だよ』『次頑張ろう』『上を向こう』などと前向きな言葉をかけるようにしました」と言う。5月の全国大会に向けて「全国でも張り合っていけるように頑張りたい」と、新たな目標を見据えていた。

ベスト8以降の結果は以下の通り。

▽準々決勝

バンディッツいわき(福島)0-0(PK3-2)MIRUMAE・FC(岩手)

青森FC2-1会津サントスFC(福島)

モンテディオ山形ジュニア村山5-2マリソル松島(宮城)

ベガルタ仙台(宮城)3-1山形FC

▽準決勝

青森FC2-1バンディッツいわき

ベガルタ仙台5-1モンテディオ山形ジュニア村山

▽決勝

青森FC3-3(延長0-0、PK戦3-2)ベガルタ仙台

【特別協賛・JA全農からの副賞】

▼福島桃の恵み(JA全農福島)

▼りんご「サンふじ・王林詰め合わせ」、3銘柄パックごはんセット、野菜ジュース「果実彩園プラス」(JA全農あおもり)

▼エルンテフェストあらびきウインナー、パックご飯「銀河のしずく」、賢治の里いわて花巻ラ・フランスジュース(JA全農いわて)

▼伊豆沼ハム・スモークハムとソーセージのプレミアムセット、ソーセージ彩りセット、4種のソーセージセット(JA全農みやぎ)

▼のむりんご(JA全農あきた)

▼山形県産米「雪若丸」無菌パックごはん、山形りんご2023(JA全農山形)

▼インスタントごはん、抹茶ミルク(JA全農)

〈主催〉日刊スポーツ新聞社〈後援〉日本サッカー協会、東北サッカー協会〈特別協賛〉全国農業協同組合連合会(JA全農)