藤枝MYFCは1-2でヴァンフォーレ甲府に敗れ、今季初の連敗を喫した。1点を追う後半にMF久保藤次郎(23)のゴールで一時は同点としたが、カウンターから決勝点を献上。敗れはしたものの、昨年の天皇杯王者に善戦し、互角以上の戦いを演じた。

完敗ではなかっただけに、悔しさも大きかった。藤枝は前半からボールを支配し、試合を優位に進めた。だが、同37分に敵陣でボールを奪われると、自陣右サイドを崩され、先制点を献上。警戒していた相手の速攻を止められなかった。須藤大輔監督(45)は「先制できなかったことが敗因」。後半18分に右クロスをMF久保が右足で合わせて同点。勝ち越しを狙って前掛かりになった隙を突かれた。

同点ゴールから4分後。敵陣でボールを奪われ、あわや失点のピンチを招いた。好転しかけた流れをつかみきれず、同26分に中央を崩されて失点。再びカウンターから決勝点を許した。MF杉田真彦(27)は「J2では隙を見せると、1発でやられてしまう」。少ないチャンスを確実に決めきった相手との差がスコアに表れた。

開幕2連勝から2連敗。杉田は「全然やれている感覚はある」と悲観はしなかった。ゴール前までボールを運ぶ攻撃の組み立てはJ2でも通用している。一方で守備は修正が急務だ。特に人数をかけている攻撃時のリスク管理は徹底しなければいけない。久保も「攻撃は手応えがある。守備の強度を上げてレベルアップしたい」と前を向いた。

周囲から指摘されている「J2の壁」は決して厚いわけではない。須藤監督は「だから勝てないと言われても、ぶれずに戦う信念は持っている」と思いを代弁した。負けてもスタイルは変えない。敗戦から学んだ課題を克服して次戦につなげる。【神谷亮磨】