J1で16位と低迷する柏レイソルは17日、ネルシーニョ監督(72)が退任し、後任として井原正巳ヘッドコーチ(55)が昇格すると発表した。20日の神戸戦(三協F柏)から指揮を執るとみられる。

クラブを通じ、井原新監督は「レイソルに関わる皆様へ、いつも応援をいただきありがとうございます。ネルシーニョ監督の後を任されることになりました。今の成績は決してネルシーニョ監督だけによるものではなく、我々スタッフも責任を感じています。ネルシーニョ監督のためにも、この現状を変えるべく、チーム、選手、スタッフでもう一度結束して、チームを蘇らせるように全身全霊を尽くします。そのためにはファン・サポーターの皆様の今まで以上の応援と後押しが不可欠です。我々とともに、柏レイソルの勝利のために戦ってください。よろしくお願いいたします」とコメントした。

ネルシーニョ監督は昨季の前半戦は快進撃を続けてきたが、昨年8月14日の広島戦から10試合未勝利でシーズンを終えた。今季はMF高嶺朋樹、山田康太、DF立田悠悟ら力のある選手を補強。巻き返しが期待されたが、開幕から4連敗を含め6戦未勝利。初勝利は4月9日の鹿島戦だった。

今月13日には最下位の横浜FCにシュート21本を放ちながらも0-1で敗戦。試合後はサポーターが居残り「降格しても監督は続けるのか」「どういう判断をするのか」とクラブに説明を求め、強化責任者の布部陽功GMが運営担当者とゴール裏に出向き、サポーターと話し合う一幕もあった。

ネルシーニョ監督09年夏にJ1で低迷していた柏の監督に就任すると、09年は降格したが、10年にJ2で優勝。翌11年にJ1を制覇し、史上初となるJ1昇格組の優勝の偉業を達成した。その後も天皇杯、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)も制覇し、柏の黄金期を築いた。14年のシーズン終了後に退任し、19年からJ2に降格した柏の監督に再び就任。19年にJ2で優勝し昇格を果たすと20年はルヴァン杯で決勝に進出していた。功労者だったが、今季の低迷で退任を余儀なくされた。

◆井原正巳(いはら・まさみ)1967年(昭42)9月18日、滋賀県生まれ。現役時のポジションはDF。守山高から筑波大。3年時の88年に日本代表入り。90年に日産自動車入社。以来、99年まで横浜で活躍。00年磐田を経て浦和に移籍し、02年に現役引退。国際Aマッチ通算122試合出場5得点。98年W杯フランス大会の日本代表主将。「アジアの壁」と呼ばれた日本を代表するリベロ。06年の指導者転身後、U-23日本代表コーチ、柏ヘッドコーチ、福岡監督、柏ヘッドコーチを歴任。