藤枝は3-0で徳島に完勝した。MF榎本啓吾(23)の今季初ゴールで口火を切ると、後半にMF岩渕良太(33)とMF横山暁之(26)が追加点。自慢の攻撃力を発揮したチームは連敗を「4」で止め、6試合ぶりの白星を挙げた。ホームの磐田は1-1でいわきと痛恨のドロー。清水は1-2で首位の町田に屈した。

 

鬱憤(うっぷん)を晴らした。藤枝は前半からボールを保持しながら攻め込むと、ゴールに飢えていた男がこじ開けた。同39分、榎本は左サイドでボールを受けると、迷わずにシュートを選択した。「相手が思ったより寄せてこなかったので、思い切り狙った」。左斜め45度の位置から放ったミドルはゴール右隅へ。待望の今季1号がチームの攻撃力を目覚めさせた。

後半13分には右サイドを崩し、岩渕が右足で追加点。44分にはカウンターから横山がダメ押しの3点目をたたき込んだ。全3ゴールはいずれも流れの中から奪い、守備も11試合ぶりの無失点。攻守でアグレッシブに戦う藤枝“らしさ”が全開だった。4連敗の重苦しい雰囲気を吹き飛ばす完勝で、須藤大輔監督(46)も「勝てないことでいろいろ変えがちだが、我々は攻撃的なスタイルを続ける選択をした」と胸を張った。

直近2試合は清水と磐田に連敗。県内でしのぎを削るライバルに屈した試合から見えたものもあった。リーグ屈指の戦力を誇る2チームに、整理された組織力で対抗。個々の局面でも逃げずに立ち向かった。指揮官は「この2試合で経験値は上がった。個々でやれていた自信が今日で確信に変わったはず」。J1経験もある徳島を寄せ付けず、悔しい敗戦が無駄ではなかったことを証明してみせた。

チームは連敗を「4」で止め、6試合ぶりの白星。榎本は「ぶれずに攻撃的にやり続けた結果だと思う」と勝因を挙げた。確固たるスタイルを貫いて手にした1勝は、勝ち点3以上の重みがある。【神谷亮磨】