川崎フロンターレが、下克上を狙う関東1部所属の栃木シティをFC3-1で下した。

元川崎FのFW田中パウロ淳一らが、試合開始と同時にアグレッシブに前線からプレッシャーをかけてきたが、J1のプライドで跳ね返した。

前半18分、FW遠野大弥が、相手のクリアミスを逃さず、ペナルティーエリア外からダイレクトで右足を振り、ゴール右隅に豪快に決めて先制。後半20分にまさかの同点ゴールを許すも、同26分に、再び遠野が左足で決めて勝ち越した。後半44分にも途中出場のFW宮代大聖が決めて、粘る栃木シティを突き放した。

過去にJFLのHondaに所属していた遠野は、捨て身で挑んでくる相手の心理をよく理解していた。「勢いづかせてしまうと怖い。先制点をとることを意識していた」と狙い通りの得点となった。

追加点をなかなか奪えなかったことは課題にあげたが、「自分たちは結果にこだわってやっていた。自分のゴールで勝ちきれたことは自信になります」と内容よりも、3回戦にコマを進めたことに手応えを示した。

遠野は、4月19日のルヴァン杯でも2ゴールをあげたが、リーグ戦では得点がない。熾烈(しれつ)なレギュラー争いを繰り広げる中で、アピールの2得点となった。「リーグ戦で結果出ていない分、自信にもなりますし、競争に向けて、同じラインに立つことができた。自分の特徴は点を取ること」。鬼木達監督も「慌てずに逆転したところは、彼らの成長。新たな競争が生まれた」とその取り組みを評価した。激しい競争が、チームの強化につながっていく。