J3のいわてグルージャ盛岡が、YouTuberとしても活動する元アテネ五輪日本代表DF那須大亮(41)を獲得した。15日に電撃的に発表された。
ピッチに立てば、Jリーグでのプレーはヴィッセル神戸で引退した2019年以来となる。背番号は55。現役復帰期間は「1週間限定」と、那須自ら明かした異例の現役復帰。その舞台裏を取材した。【取材・構成=盧載鎭】
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取材によれば、契約は何と、5日間限定で期間は15~19日と、1週間にも満たないものだった。
すでに15日の練習に合流済みで、19日のホームでの愛媛FC戦(いわぎんスタジアム)に出場する可能性がある。
Q:5日間限定? Jリーグへの登録上、問題ないのだろうか?
A:那須は無所属のため、今季は9月8日までに設定されているJリーグの追加登録期限までに登録が完了すれば、スケジュール的には問題がない。しっかりとJリーグへの登録が完了すれば試合にも出られる。5日後にクラブと契約を解除することも問題ない。今回の加入は、Jリーグの規定に則ったもので、クラブもしっかり確認しているという。
Q:なぜ岩手は那須を獲得したのか
A:岩手はこれまで8勝5分け9敗の勝ち点29で20チーム中13位。ホーム観客は平均1000人程度。J3の中堅クラブとして、全国的には、それほど話題のないクラブといえる。しかしプロのクラブとして、注目度やファンの関心を呼び込むことが、経営に大きく影響する。その起爆剤として那須に白羽の矢を立てた。
仕掛け人の1人が、元日本代表でFIFAワールドカップ(W杯)にも出場した日本のレジェンド、秋田豊社長だ。昨季まで岩手の監督を務め、その後、オーナー兼社長に就任。岩手のすべてを知り尽くすといってもいい大物にも、直接取材した。
秋田社長 彼は2年前にも1週間、チームに練習参加してくれて、チームとしても、大きなプラスになったことがある。今回はコーチ兼選手として契約しました。契約した一番の理由は、コーチとして選手に刺激を与えること。体力とスピードは衰えているかもしれませんが、サッカーアタマ(サッカーに対する知識)は素晴らしい。予測、アプローチ、流れを読む力など。愛媛戦は、DFかボランチとして若手をうまくリードして出場する可能性があります。
営業面での利点についても、聞いた。
秋田社長 YouTuberは、若い人たちに人気の職業です。彼をきっかけに、若い人たちが、いわてグルージャ盛岡に興味を持ってくれて、スタジアムに足を運んでくれればいいと思っています。もっと若い世代を引き込んでいきたい。
Jリーグを盛り上げる-。若手が多い岩手にベテランの経験が加わる戦力面のプラスに加え、注目度アップの効果は計り知れない。
夏休みの最中に岩手が斬新な仕掛けで、Jリーグに1つの可能性を示そうとしている。



