アルビレックス新潟はJ1“初ずくめ”の3発で横浜FCを3-1で破り、4試合ぶり白星を手にした。前半6分、MF三戸舜介(20)がJ1初の2試合連続ゴールを決めて先制。1-1とされた後半17分にはDF渡辺泰基(24)が右CKからJ1初ゴールを決めて勝ち越すと、同45分には後半途中出場のMF高宇洋(25)のJ1初ゴールでダメ押した。勝ち点を33に伸ばした。次節29日はアウェーで川崎フロンターレと対戦する。
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狙い澄ましたファインゴールで勝負を決定づけた。渡辺のJ1初ゴールで2-1と勝ち越した後半45分。高は右MF長谷川から横パスを受けると細かいタッチで相手をかわし、ゴール正面から右足を振り抜く。軽くカーブをかけたシュートがゴール右に突き刺さると、雄たけびをあげながら新潟サポーターのもとへ飛び込み、プロ7年目でのJ1初ゴールを喜び合った。「(新井)直人君、(長倉)幹樹、(長谷川)巧、俺と途中から出た選手で関わっていい形で運べた。シュートはイメージ通り」。
ベンチから戦況を見守っていた。新潟は三戸が前半6分に先制点を決めるが、優位にゲームを展開できなかった。「新潟のやりたいサッカーを相手にされていた」と高。2-1の後半29分からピッチに立つと中盤からボールホルダーにプレスをかけ続け、攻撃では積極的に前線へ飛び出した。「違ったアクセントを加えたかった。それがうまくいった」。攻守で指揮官の期待に応える活躍でチームの4戦ぶり勝利に貢献した。
準々決勝で敗れた天皇杯の川崎F戦(8月30日)。PK戦でキックを失敗していた高は居残り練習でミドルシュートを打ち続けた。「あれから本当に打ち込みまくった。(練習は)やるもんだな。ようやく結果に出た。今後もこの感覚を味わいたい」。この日の試合後にはGK阿部発案の勝利パフォーマンスで、天皇杯で失敗したPKをしっかりと成功させた。次節29日は中学まで在籍した川崎Fと等々力陸上競技場で対戦する。「ちっちゃい時に通ったスタジアム。感慨深いものはある。しっかりしたプレーで天皇杯の悔しさを晴らしたい。連続ゴール狙う」と今季初の連勝奪取を誓った。【小林忠】
◆DF渡辺(CKからJ1初ゴール)「キッカー(高木)に取らせてもらったゴール。ニアに入り込む形は練習通り。前回対戦で負けていたので気持ちは入っていた。次は連勝を狙っていく」
○…右膝のケガから復帰したMF太田修介(27)は後半21分からピッチに立ち、同38分に左サイドから惜しいシュートを放つなど存在感を示した。8月12日の湘南戦から新潟県内の少年サッカーチームをホームゲームに招待する「SHU SEAT11」を開設。同月5日の名古屋グランパス戦で負傷したため、この日、初めてピッチで躍動する姿を子どもたちに見せた。試合後に交流した朝日サッカー少年団の江口空汰君(12)は「ユニホームのまま筋肉を触らせてくれたり質問に答えてくれた。プロを目指したい気持ちが大きくなった」とうれしそうに話した。