J3のYS横浜は11日、キックボクシングチームの発足を発表した。ホーム最終戦となった同日の沼津戦ハーフタイムに格闘家でクラブOBの安彦考真(45)が登場。「Y.S.C.C.横浜でキックボクシングチームを作ります。今度の大会はクラブの所属として出場します」とサプライズ発表した。

クラブも公式ホームページで「安彦考真氏【ほほえみキックボクシング教室】発足」と題し、安彦の所属などを発表。「このたび、NPO法人Y.S.C.C.に安彦考真氏が所属する事となりました事をご報告させて頂きます。今後、クラブの一員となり生涯スポーツの一環として健康、護身、美容のための教室を行ってまいります」とした。

安彦はクラブを通じてコメントも発表し「ただいま!!このたび、Y.S.C.C.キックボクシングチーム所属となりました安彦考真です。40歳でJリーガーになりそのキャリアをY.S.C.C.で終え、そして格闘家に転身してから2年半、またY.S.C.C.に帰ってこれたことを光栄に思います」と喜びをつづった。

続けて「Y.S.C.C.信念である、貧困や差別と向き合う姿勢やいじめなど青少年育成に対して真摯(しんし)に取り組む姿勢に心から共感しています」とし「僕自身、Jリーガーになる前は、発達障害を抱える子どもたちや不登校の子どもたちと向き合い、子どもたちの葛藤とそのエネルギーの出しどころがわからない苦しさと触れてきました。僕ら大人が今を見ずに、逃げ切り世代や見て見ぬふり世代となってしまっては、誰が地域のリーダーとなり、子どもたちの憧れになれるのでしょうか」と訴えた。

今後への決意について「僕は、人の可能性は無限であり、年齢を言い訳にせず前へ前へと突き進む姿勢を見せていきたいと思っています。僕は日本の新しい地域スポーツを作り、体を動かすことで、部活だけに頼らず、地域でたくさんの笑顔を生み出すことができると思っています。この取り組みをきっかけにスポーツ界全体に変化を生み出したいと思っています。格闘技には武士道の精神があり、そこには『道』があります。みんなで動いて汗をかいて笑い合う。それだけで生まれる新たな感情と関係がそこには存在します。それが今の子どもたちには必要です。勝ちたいからやるだけではなく、サッカーと格闘技を通してスポーツ界の可能性を広げていきたいと思います」と宣言した。

安彦は20年いっぱいでのJリーガー引退後に格闘家へ転身。ここまでRISEなどでプロとして4試合戦い、11月19日には朝倉未来との対戦も発表されたYA-MANがプロデュースする新格闘技イベント「FIGHT CLUB」(ABEMA PPV独占生中継)出場も決まっている。同大会ではオープンフィンガーグローブでの3分3Rキックボクシングルールで、現役プロレスラーで元RISEランキング2位まで登り詰めたこともある前口大尊(37)と拳を交える。

 

◆安彦考真(あびこ・たかまさ)1978年(昭53)2月1日、神奈川県生まれ。高校3年時に単身ブラジルへ渡り、19歳で地元クラブとプロ契約を結んだが開幕直前のけがもあり、帰国。03年に引退するも17年夏に39歳で再びプロ入りを志し、18年3月に練習生を経てJ2水戸と40歳でプロ契約。出場機会を得られず19年にJ3YS横浜に移籍。同年開幕戦の鳥取戦に41歳1カ月9日で途中出場し、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。水戸でのプロ1年目は年俸10円、YSCC横浜では120円と“ほぼ0円”での契約も話題に。20年限りで現役を引退し、格闘家転向を表明。22年2月16日にRISEでプロデビュー。プロ通算2勝1分け1敗。175センチ。