モンテディオ山形の清水とのJ1昇格をかけたプレーオフ(PO)準決勝は、0-0の引き分け。山形は2年連続で昇格を逃す結果となった。山形は前半からチャンスをつくるも、清水の堅守に阻まれ、最後までネットを揺らすことはできず。7試合ぶりの出場を果たしたベテラン、DF山田拓巳(34)が、この試合に懸ける思いとともに、今季を振り返った。

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またも“引き分け”に涙をのんだ。7試合ぶりの先発起用となった山田は「大舞台でチャンスをもらえて幸せ者。チームの勝利に貢献して、存在意義を示せる試合にしたい」と人一倍強い気持ちでこの試合に臨んだ。前半6分、山田がペナルティーエリア右へのこぼれ球を果敢に押し込むなど、序盤から山形らしい攻撃を展開。だが、昨季までJ1の舞台で戦ってきた清水の壁は高く、決定機をつくることはなかなかできなかった。山田は「個人もチームも力不足ですが、負けではなく、引き分けで終わるのは気持ち的に難しい…」と言葉を詰まらせた。

この屈辱を必ず来季につなげる。シーズン序盤にクラブワースト8連敗を喫し、一時はJ3自動降格圏の21位まで落ち込んだ。だが、当時はシーズン序盤ということもあり「まだ時間がある」というポジティブな思考が先行。選手間での戦術面の意見のすりあわせや厳しい要求はできなかったという。しかし、この8連敗が大きな痛手となり、9季ぶりのJ1復帰を目指すチームの首を絞める結果となった。

山田は当時を振り返り「もっと(8連敗を)重く受け止めてシーズン終盤のように『もう後がない』という意識を持つべきだった」と悔やんだ。だが、下ばかり向いてはいられない。どん底から一丸となり、這い上がってきたチームは、大きな成長を遂げ、2年連続でのPOの舞台までたどり着いた。さらに、終盤の負けられない試合を戦い抜く中で多くの収穫を得た。「この悔しさを絶対に忘れないこと」、それを選手個々が胸に刻み、来季こそJ1への扉をこじ開けてみせる。【木村有優】

 

3月4日磐田戦から5連敗。4月4日にピーター・クラモフスキー前監督が解任され、新たに渡辺晋監督(50)が就任。「逃げるわけにはいかない。目の前にいる選手を何とか引き上げなくてはいけない」と決死の覚悟で臨んだ。根本的なプレースタイルは変えずに微調整のみを加えた山形は「引き出しの多さが増え、相手に応じて順応できるようになった」と今季3度の5連勝などでどん底だったチームを5位まで導いた。

目指していたJ1昇格にはあと1歩及ばず、「期待に応えられず申し訳ない」と肩を落としたが、それでも「成長を感じられた試合だった。この敗戦から学んで次に生かし、新たに力強い一歩を踏み出してくれたら」と期待を寄せた。空白の2ページに「勝利」の2文字を加えることはできなかったが、来季こそは「J1昇格」というエンディングを迎える。