Jリーグアウォーズ(年間表彰式)が5日、横浜アリーナで行われ、神戸FW大迫勇也(33)が最優秀選手(MVP)に初めて輝いた。今季はJ1の全34試合に出場し、キャリアハイとなる22ゴールで得点王も獲得。2年ぶり10人目のMVP&得点王のダブル受賞を果たした。「半端ない」活躍で神戸優勝の立役者となったエースが、シーズンを最高の形で締めくくった。

大迫が、名実ともに今季のJの頂点に立った。得点王やベストイレブンの表彰で何度も登壇した神戸のエースは、最後に最大のスポットライトを浴びた。

「Jリーグ優勝、最優秀選手賞、得点王を取ることができ、素直にうれしい。引き続き努力を続け、また来年もこの賞を取れるように頑張りたいと思います」

Jリーグ30周年のメモリアルシーズンのMVP男は、サプライズ登壇した家族の横で、自信に満ちた表情でスピーチした。

26試合7得点に終わった昨季は、臀部(でんぶ)と太もも裏の間の筋肉を痛め「(痛みは)4カ月ぐらい取れず、いつ治るか見えなかった」と苦しんだ。22年W杯カタール大会メンバーからも漏れた。それでも、気持ちは途切れなかった。

「切り替えですよ。それをパワーにできたのが、今年の良かったところ。サッカー選手はいいこともあれば悪いこともある。それをいかにパワーに変えられるか-あらためて思った」

W杯落選を振り返っても「(ケガを)しっかり治せて良かった。全てが重なって、いい方向に向かってくれた」と思い起こした。

「オフはしっかり走り込んで、出力を出せるようにした」と話す今季。開幕からエンジン全開で臨んだ。ボールを持てばまず自身が使われる。その喜びを感じ、ゴール量産の理由には「気持ち良くやらせてもらえているから」と答えた。

周囲から「大迫が離脱したら神戸は終わる」との声もあがった。万全でなくとも、毎週トレーナーのメンテナンスを受けて全試合でピッチに立った。

吉田監督が「自分の体をよくわかっている」と評価する調整力も強み。チーム全得点の36・7パーセントをたたき出し、8アシストも記録した。数字に残らない部分でも圧倒的なパフォーマンスを続けた大迫のMVPは、当然の選出と言える。

「大迫半端ない」の名言が生まれた08年度の全国高校選手権で、今も破られていない1大会10得点を決めて以来の得点王。15年の時を経て、再び「半端ない」旋風を巻き起こした絶対的ストライカーが、今季の顔になった。【永田淳】

◆大迫勇也(おおさこ・ゆうや)1990年(平2)5月18日、鹿児島県南さつま市生まれ。鹿児島城西高3年の高校選手権で歴代最多10得点を記録して鹿島入り。1年目から出場して13年7月21日の東アジア杯中国戦で日本代表デビュー。14年1月にブンデスリーガ2部1860ミュンヘンに移籍。同1部ケルン、ブレーメンをへて21年8月に神戸加入。W杯は14年ブラジル、18年ロシア大会に出場。国際Aマッチは57試合25得点。184センチ、75キロ。

MVPに神戸FW大迫勇也! ベストイレブンに神戸から最多タイ4人/Jアウォーズまとめ