明大が京産大を2-0で下し、3大会ぶり4度目の優勝を手にした。

ハイプレスからのショートカウンター、粘り強い守備。明大が“らしさ”を発揮し頂点に立った。前半の途中から相手に押される場面もあったが、ハーフタイムで栗林大輔監督が「優しいカツ」を入れギアチェンジ。後半3分、3年生のエースFW中村草太の得点で先制すると、後半8分にはコンサドーレ札幌内定のMF田中克幸の得点で突き放した。自慢の堅守も冴えた。優勝カップを掲げた主将のDF井上樹(4年)は「勝たないといけない、というより純粋に勝ちたい、という思いで戦った。やり切ったという感じ。純粋に嬉しかった」と笑みをこぼした。

今季はリーグ戦では、5月に規定の学生審判員の登録者数を満たしていなかったとして、勝ち点登録完了時点までの4節(1勝3分)で挙げた勝ち点6が無効になる処分を受けた。夏にはエースでパリオリンピック(五輪)世代のFW佐藤恵允がドイツ1部ブレーメンへと移籍した。

だが、チームは下を向くことなく、佐藤の大きなステップアップに刺激を受けたという。井上は「シンプルに(欧州移籍が)すごいなと。しかも同期で出たことで、チームとしてもっとやらないと、とプラスになった」。栗田大輔監督も「お互いに刺激になる。後ろ向きになる選手はいないと思っていた」振り返る。

この日は佐藤がスタンドに応援に駆けつけていた。優勝した後、佐藤から「ありがとう」と言われたという。井上は「恵允も、シーズン途中で抜ける申し訳なさもあったと思う。でも、それは恵允の挑戦。僕らも応援したいし。僕らも今日は恵允と一緒に戦ってるような感覚だった」と、佐藤に感謝した。

井上はJ2のヴァンフォーレ甲府のアカデミーで育った。甲府ユースからトップの昇格はかなわなかったが、生活面も含めて厳しい環境に身を置いてプロを目指す目標を立て、明大進学を選んだ。1年生の夏に右の前十時靱帯(じんたい)断裂の大けがを負ったが、そこからはい上がり主将としてチームをけん引。来季から“故郷”の甲府でプロ生活をスタートさせる。

甲府は今季、大卒1年目のDF三浦颯太が日本代表に羽ばたくなど、大卒新人が即戦力として活躍。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント進出も決めている。井上は「明治でやってきたものをプロで出していきたい」と飛躍を誓った。