京産大サッカー部が創部52年目の今年、新たな歴史を築いた。関西学生リーグで悲願の初優勝を飾り、8度目の挑戦となった全日本大学選手権(インカレ)では過去最高の準優勝。OBで就任1年目の吉川拓也監督(35)、東京Vに入団する主将のMF食野(めしの)壮磨(4年)らが一丸となり、過去最強のチームを作り上げた。

日本一の実現こそお預けとなったが、歴史に残る快進撃の1年だった。

クリスマスイブに迎えたインカレ決勝。京産大は0-2で明大に敗れたものの、最終ラインからパスをつなぐ持ち前のサッカーで優位に立つ時間帯もあり、意地を見せた。8度目の挑戦で過去8強が最高だった全国舞台で、決勝をのぞく3試合すべてで2得点を奪い、攻守ともアグレッシブな姿勢を示した。

「1つ1つ勝ち進んで、チームも選手も大きく成長した大会だった。どの試合も全力で戦った結果が、準優勝までたどり着いた要因だと思う」と吉川監督。

2年前のインカレは2回戦で敗退。当時も2年生ながら主力だった、現主将の食野は「当時はインカレに30年ぶりの出場で、本当に手探りだった。関東勢の強度に圧倒されたが、今年はそれを経験している選手がいたので、関西王座を取った自信がマッチしてうまく戦えた」。

90年以降は関西学生リーグで1、2部を何度も往復する苦難の連続。12年以降は1部に定着したものの、下位に低迷した。転換期は現4年生でG大阪ユース出身の食野、草津東出身のMF夏川、神戸弘陵出身のDF西矢らが入学した20年。Jユースと高体連の出身者が互いに刺激し合い、成長の加速度が増した。

20年こそ10位に終わるも、21年は準優勝、22年は6位、今年が15勝3分け4敗で悲願の初優勝、全試合で得点をマークした。

22年にコーチ、今年から指揮を執る吉川監督は「選手たちは本当に素直で、挑戦しようという前向きな姿勢を持っている。4年生中心に、3年生以下も勢いに乗っかって、チームとしての成熟は夏以降、さらに加速していった」という。

食野は「吉川監督はすごく熱い人で、このチームを変えたい、強くしたいと、主将の僕は言われていた。それを意識して取り組み、結果も過程もある程度、残せた。監督には本当に感謝している」。選手間を含めて、互いにリスペクトし合う関係が部内にあった。

来年以降、後輩に日本一を託す食野は「もっと高め合えれば、間違いなく日本一を取れる潜在能力がある選手たちで、僕は本当に期待しています」とエールを送る。食野は東京V、夏川とGK山本はJ3FC大阪、MF福井はJ3相模原、西矢はJ3富山へ。4年生の5人がJリーグへと進む京産大は、新たなチームで最強伝説の更新を目指す。

◆京産大 1972年(昭47)創部。スタッフは山内太部長、古井裕之総監督ら。主なOBはG大阪などにGKで在籍して京産大で監督も務めた白井淳、現FC大阪のFW久保吏久斗、MF木匠貴大、DF美馬和也ら。所在地は京都市北区上賀茂本山。