J2モンテディオ山形が14日、山形県総合運動公園アリーナでキックオフイベントを開催。第一部では、「みちのくダービー」でしのぎを削る因縁のチーム・ベガルタ仙台から完全移籍で加入したMF気田亮真(26)ら新加入選手12人が登壇し、新天地での意気込みを語った。第三部には全選手、コーチングスタッフが登場。渡辺晋監督(50)が、会場に集まった2200人、オンライン配信を視聴する1000人のサポーターに共闘を呼びかけた。

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覚悟を持って、山形に来た。気田は最初に「何度か対戦してきて、何度かゴールも決めましたけど、それを今度は山形のために決めてチームの勝利に貢献したい」とあいさつ。会場からは笑いと拍手が起こった。

昨年の「みちのくダービー」は1勝1敗。仙台が2-1で勝利した昨年5月13日は気田が前半32分に先制ゴール。昨年7月1日は、山形が4-1で勝利。リーグ戦では約13年ぶりの勝利をつかみ、山形が沸いた。そんな因縁の相手への完全移籍。気田は「簡単な決断ではなかった」と振り返った。自身を愛してくれた仙台サポーターへの思いはもちろんあった。だが、「僕自身が一番成長したいという思いがあった。その自分のサッカー観と山形のチームスタイルを考え、ここがベスト」。自身を成長させるための決断だった。

ライバルチームへの移籍にサポーターからはたくさんの言葉が飛んだ。「このリリースがあって、いろいろ言われたり、SNSでいろいろありました」と明かし「でも僕自身は何を言われても仙台のサポーターに対する感謝の気持ちは変わらない。大ブーイングを受けると思いますけど、自分はそれをエネルギーに変えられる選手。大ブーイングをかき消すぐらい素晴らしい応援をしていただけたら、素晴らしいプレーで返したいと思います」。山形のサポーターに強い決意を示した。

背番号は「10」。中学、高校、大学と背負ってきたなじみのある番号だ。大学2年から毎年決めているという今季の自身のテーマは“圧倒”。サブタイトルは「考えて感じる、やるか死ぬか」とした。「自分らしくしっかり考えて、感じながら。考えて感じたことを実行する。やらなかったら意味がない」。覚悟と信念を持って、山形で他を“圧倒”してみせる。【濱本神威】

 

○…指揮官は「(J2優勝を達成するために)誰1人疑うことなく、誰1人あきらめることなく、我々とともに戦い、そして我々とともに前進して、目標を一緒につかみ取りましょう。今シーズン、我々は必ず1つになって戦います。どうか皆さんも我々と心を1つにして、まさに山形一丸となってともに戦ってくれたらうれしく思います」とサポーターに共闘を呼び掛けた。2シーズン連続、プレーオフで引き分けての敗退。その悔しさを乗り越え、目標の「J2優勝、J1昇格」へ「ゼンシン」する。

 

◇新加入選手の意気込み

DF安部崇士(26) 「とにかくピッチの上で強く表現したい。去年よりも多くの勝利を皆さんに届けられるように精いっぱい頑張っていきたい」

FW有田稜(24) 「覚悟を持ってきたので、死ぬ気で頑張ります」

MF坂本亘基(24) 「J2で優勝するためにこのクラブに来ました。まずは今シーズン、一緒に戦ってください」

MF加藤千尋(25) 「このクラブに覚悟を持ってきました。J1昇格に向けて、皆さんに1つでも多く勝ちを届けられるように頑張っていきます」

DF岡本一真(20)「J2優勝に向けて、自分の力をすべて出し切れるように頑張ります」

MF松本凪生(22) 「ボールいっぱい取ります。応援お願いします」

MF狩野海晟(21) 「大学を経由してこのチームに戻ってこれて素直にうれしい。J2優勝に向けて自分の力を精いっぱい出したいと思います」

DF相馬丞(22) 「早く試合に出て、J1昇格に向けて貢献できるよう頑張ります」

GK上林大誠(17) 「チームの目標達成のために毎日全力で頑張りたいと思います」

DF千葉虎士(18) 「アカデミー出身としてモンテディオ山形に恩返しできるように頑張ります」

MF杉山直宏(25) 「J1昇格に向けて全力で頑張るのでよろしくお願いします」