23年8月の天皇杯4回戦・名古屋対浦和(CSアセット港サッカー場)で浦和サポーターが暴徒化した問題で、浦和が再発防止策として立ち上げた「第三者委員会」の公開シンポジウムが16日、さいたま市内で行われた。

委員から、クラブとサポーターの関係において「(クラブがサポーターの)越権行為を放置して助長」との指摘もなされた。天皇杯では試合に敗れ、スタンドのサポーターがクラブの強化責任者を呼び出し話し合いを行い、その後に事件は起こった。また、過去にもアウェーのスタジアムで敗戦後、浦和のバスを囲み、監督がバスから降りてサポーターと話し合ったこともあった。委員のヨーコ・ゼッターランド氏は「要望が要求に変わった時、越権行為となる。それを受け止めるのもある種の放置」とした。

シンポジウム後、取材に応じた浦和の田口誠社長は、今後のサポーターとの向き合い方に「お互い感情的になって何かが生まれるという話ではない。話すにしても冷静な環境で話をするのがいい方法ではないかと考えている」との考えを明かした。

第三者委員会は、ヒアリングを含めた関係者の声として「共通していたのは何かを変えなければいけないという思い」と挙げた。「浦和内部の当たり前が、社会の規範からずれている」「このままでは、浦和のサッカー文化の良さが変質し、未来がむしばまれる」と、変わらなければいけない理由も提示した。