J1アビスパ福岡は27日、福岡市内で練習し、3月1日アウェー横浜マリノス戦(日産ス)に備えた。強みの組織守備からスキを突き、ワンチャンスから勝機を見いだす。

今季2戦目にして、昨季2戦2敗を喫した2位の難敵と対峙(たいじ)する。クラブ史上初の6位以上を狙うにあたり、現在地が試される大事な一戦になる。

この日、攻撃陣は、ワンタッチパスの連係でゴールを目指し、守備陣は、クロスからの対応を入念に繰り返すなど対策を徹底した。長谷部茂利監督(52)は「(福岡は)いい守備をしないと話にならない。個人ではなく、3、4人のグループでボールを取るプレーができれば。一瞬のスキから点が取れると思う。そういう練習をした」と話し、対横浜戦の意図を説明した。

とはいえ、昨季リーグ2戦でノーゴール、6失点と完敗した相手だ。特に、今季開幕戦でも得点したFWアンデルソン・ロペスには3ゴールを奪われた。昨季J1最多63得点の攻撃力を抑えることは容易ではない。

しかも、コンディション不良で開幕戦ベンチ外の主力DFドウグラスグローリ(34)、DF宮大樹(27)、新加入の元スイス代表FWナッシム・ベンカリファ(32)は、2戦連続欠場が濃厚だ。ベストメンバーが組めない試練の中で、V候補との、よりハイレベルな戦いが待ち受ける。

24日開幕戦は昨季12位の北海道コンサドーレ札幌相手に、攻守の課題があぶり出されたスコアレスドローだった。

シャドーストライカーのMF紺野和也(26)は「前線3人は距離感が遠く、全員が孤立していたと感じる。攻撃もシンプルにクロスを上げて、ウェリントンにゴール前で競らせてもよかった」と課題を口にする。

指揮官が「攻撃にミスがあったし、守備のところで、前後左右に間延びさせられたところがあった。後半、推進力のある選手が入り、相手に流れが行った」という反省があった。

札幌が後半、FW鈴木武蔵ら交代選手を投入して、スピードとパワーが増し、押されっぱなしになった一戦から学ぶしかない。