ヴィッセル神戸FW宮代大聖(23)が、2ゴール1アシストを含む4得点にからむハイパフォーマンスで、チームを今季ホーム初勝利へ導いた。

前半8分に巧みなワンタッチでFW大迫勇也(33)の先制点をアシストすると、同24分にはMF広瀬陸斗(28)とのコンビで左サイドを崩し、最後はDFをかわして右足で鋭くゴール右下へ決めた。

同43分にはFW武藤嘉紀(31)のゴールにつながるパスでチーム3点目を演出。後半4分には左CKのチャンスで相手のクリアミスがこぼれてくると、ゴールを背にしてDFのマークを受ける状況ながらも、落ち着いた胸トラップから左ボレー。チーム4点目をたたき込んだ。

この日のヒーローは「前を向いてどんどんゴールに仕掛けるのは自分の特長でもある。それがうまく出た」。持ち味を存分に発揮した一戦を振り返り、笑顔を見せた。

現在宮代に与えられているポジションは、インサイドハーフ。守備時はMF山口蛍(33)がボランチに下がり、宮代が前に出る4-4-2の形となり、エース大迫に近い位置でプレーする機会を増やしている。

シーズン開幕前、指揮官は宮代を「中央のレーンで力を発揮する選手」と評価。ウイング起用を考えられておらず、1トップに大迫が君臨する状況を考えれば、ベンチスタートが増えるのではないかとも予想された。

それでも指揮官は「ゴールに向かう迫力は非常に良かった」というアタッカーの使い方を考慮し、前線にけが人が続いたタイミングで、現在の位置での起用を決断した。

MF佐々木大樹(24)やMF井出遥也(30)とも違うスタイルでポジションを確立した宮代が「実際にやってみて、自分が生きやすいところ」と話せば、吉田監督はフィットした宮代を「ゴールに向かえる選手が1人増えた。今日は彼の良さがより出せたと思う」と評価した。

当の宮代は、新境地を開拓しながらも「自分はFWなんで、取れるだけ取りたい」と点取り屋の自覚ものぞかせ、実際に、ゴールラッシュを呼び込んだ。

人気アニメ「呪術廻戦」の「領域展開」ポーズを決めるゴールパフォーマンス。これについて、前日には「反響はわからない」と話していたが、この日のスタジアムには、ポーズをまねする少年の姿も。神戸サポーターの中での宮代の占める「領域」は、この日確実に増した。【永田淳】

【動画】神戸宮代大聖、倒れ込みながらのボレーでねじ込み今日2点目! 密集の中見事に決めた!