流通経大柏(千葉)が上田西(長野)に8-0と大勝し、ベスト4へ6大会ぶりに入った。J2富山加入内定のMF亀田歩夢(3年)が得意のゴール左45度から2発で大量得点を呼び込んだ。3回戦の大津(熊本)との激闘から中1日で、圧倒的攻撃力を示した「赤き龍」が17大会ぶり頂点まで2勝に迫った。前橋育英(群馬)は堀越(東京A)に1-0で、優勝した17年度以来の4強。準決勝(11日、東京・国立競技場)の顔合わせは東福岡-前橋育英、流通経大柏-東海大相模(神奈川)に決まった。
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「カメゾーン」を領域展開した。2点リードの前半28分、流通経大柏MF亀田はペナルティーエリア左角でボールを受けると、カットインから、ふわりと浮かせて、ゴール右上に美しい内巻きシュートを決めた。5-0の前半追加タイムにも同角度の5メートルほど後方から、鋭いインスイング。再び揺らして大勝に導いた。
「1点目は、うまくチップ気味でGKを越そうかなという感じ。2点目は、もう完璧。自分の形でした」
うまい選手から、怖い選手に生まれ変わった。中学までフットサルと二刀流でならし、ドリブルには絶対の自信がある。さらにスケールアップするため、自主練習でシュートを磨いた。きっかけは今季就任した山根巌コーチの言葉だった。「まだカメのゴールを見てないぞ」。悔しくて全体練習後、カットインシュートに励んだ。仲間からコツを教わり、徐々に上達。全国舞台で武器に昇華させた。
168センチ、58キロの小柄な体格を全く感じさせない存在感だった。プレミア王者大津との3回戦から中1日でもキレキレ。「自分が(ボールを)持ったら、みんな(寄って)来ないで! と言っている」と豪語する突破力でチャンスを演出した。J2富山でプロキャリアをスタートさせるが、昨年は神戸からも声がかかって練習参加。「全然やれました」とJ1王者の高強度に通用した技術がある。
卓越したサッカーセンスも、全身からあふれる。ほれぼれするようなボールタッチで、憧れのロナウジーニョのように沸かせた。背番号8に呼応して周りも躍動。大量8得点の呼び水になってベスト4入りした。日本一まで、あと2勝。「得点して結果でチームを救えたら。油断はせず、謙虚に、自分たちのサッカーをして優勝できたらな」。名は歩夢。夢に向かって歩みを止めないカメに引っ張られ、17大会ぶりの頂が視界に入ってきた。【佐藤成】
◆亀田歩夢(かめだ・あゆむ) 2006年(平18)12月19日、神奈川県平塚市生まれ。小学校でサッカーを始め、中学時代はP.S.T.C.ロンドリーナのジュニアユースでフットサルにも取り組む。高校から千葉県へ。ポジションはサイドハーフ、ボランチ。家族は両親と兄。50メートル走6秒3。利き足は右。血液型A
○…歴史的8発にも10番のMF柚木は驚かなかった。PKで8点目を決めてゴールラッシュを締めくくり「得点能力が高い選手が前線にすごくいる。このぐらい取れて当たり前というモチベーションで自分たちはやっている」と胸を張った。今大会は初戦の2回戦が5点で3回戦が2点。3戦15発と爆発中だ。



