東京ヴェルディ城福浩監督(64)が、前節サンフレッチェ広島戦の反省を教訓に巻き返しを誓った。28日、次節横浜FC戦(30日、ニッパツ三ツ沢)に向け、東京・稲城市のクラブ施設でメディア対応。「終わった事は取り戻せない。次にキックオフから生かせるかが大事になる」と強調した。
23日の広島戦は開始早々の前半6分にCKからこぼれ球を押し込まれて失点した。序盤の失点は、得点力を課題とするチームにとっては絶対に避けるべきもの。結果的に試合中盤、終盤の失点にもつながり0-3と完敗している。
それを踏まえ、指揮官はこう話した。
「自分たちが準備してきたことが開始4分か5分で崩してしまったのが自分たちで、まさにセットプレーとこぼれ球は我々が準備してきたことだけど、結果として我々が何も準備してなかったのと同じ入りになったのがすべてだなと。決定機がどうだとか、試合のフィニッシュに至るまでの崩しがどうとか、もちろん我々がやれたことは自信を失うことは何もないですけれど。結果的に何を準備していなかったのと同じ試合の入りになったのがすべてかなと思います」
勝ち点31で14位の東京Vに対し、相手の横浜FCは勝ち点22の19位。勝ち負けが付けば6ポイントの価値がある。J1残留へ、どちらのチームも絶対に負けられない試合となってくる。
「我々が勝ち点3を目指してやってきた戦い方をしっかりやること。繰り返しになりますが、手応えのある内容でこの状況にしてしまったのは自分たち。ここ数試合のイージーな失点の仕方を、こういう状況に自分たちで招いていると思うので。点を取るのにこれだけ苦労しているので、失点するのはあれだけあっさりしているのは一番良くないチームのサイクルだと思うので、そこを粘り強く戦って勝利することが我々らしいと思う。そこはいつもと同じ臨み方かなと思います」
横浜FCは今夏にブラジル人FWアダイウトンが加入し、ジョアン・パウロ、ルキアンの3トップが形になりつつある。切れ味鋭いカウンターがあるだけに、ボール保持を高める東京Vにとってはリスク管理に留意したいところだろう。
「ボールを失わないでシュートにいくとか、失わないでゴールネット揺らすというのは簡単じゃないので、必ずどこかで失うわけで。自分たちがどんなに丁寧なポジションを取って、どんなサッカーをして、どこを狙ってというところは共通意識をもって、つなぐことを目的になると一番危険な状態で相手の3トップに渡ることになる。目的と手段を取り違えないようにやるのが大事かなと思う」
誰かに頼ったチームでない。ピッチに立った選手は全員で走り、戦い、そしてバトンを受け継いだ選手が全力で走り抜く。現有戦力の中でどう戦っていくか、その思いも吐露した。
「基本的に90分やれる選手をピッチにまず立たせたい。90分やれる選手が60分で果てていくという中で交代していればいいんですけど、60分くらいでほぼほぼ足をつって交代する選手を最初から起用すると、我々の今の選手層で言うと手が詰まるんですよ。90分やれる選手が初めて60分をどう圧縮するか、与えられた30分をどう戦うかと。この選手がこうなったらこれがいるという、我々が選手層を厚くしている最中なので。戦える選手がピッチに立つ。特に前線の3枚はもちろん、そうなればいいですけど、それ以外のところは基本的にそういう選手じゃないと非常に苦しい交代策になる。正直そういうところがありました。誰を先発にして誰を代えなきゃいけなくなるのか。その次に誰がいるのかというのは、このチームは今格闘しているところなので。それはおのおのが自覚を持って90分やれるコンディションに持って行かなければいけないと思います」
チームにとって、気になるのは城福監督が「ヘソ」と呼ぶボランチの森田晃樹が出場できるかどうか。16日の京都戦(0-1)でファウルを受け、左足首を負傷。そのため前節広島戦を欠場するはめになった。
攻撃のリズムを司る男の不在は、けれん味のない東京V本来の攻守に影響を及ぼした。あらためてチームの柱であり、不可欠な存在だと知らしめるものとなった。それだけに復帰できるかどうかでは気になるところだ。
城福監督は「確かめながら、リバウンドを見ながらという感じになる。極端な話をすれば当日まで決断は伸びる可能性はあるなと思っています。いろんなバージョンを準備していますし、それくらいひどいファウルだったと思っています」
また、中盤の森田同様に、DFリーダーとしてチームの屋台骨を支えているのが3バックの中央に入る谷口栄斗だ。対人やシュートブロックの強さに加え、チームを統率する役回りも板に付いてきた。その谷口を軸に、横浜FCのブラジル人アタッカーをどう封じていくのか。
「守備はボールの出たところだけの勝負でなくて、相手の出し手へのプレッシャーをいかにかけられるか。そういう意味ではラインの設定であるとか、スタートポジションも大事になってくるので、そこの統率も含めて、オンザボールとオフザボールの戦いももちろん、強さと駆け引きも必要です。それは栄斗だけに限らず、誰かがチャレンジすれば誰かがカバーをする。普通に見たら、そのカバーの必要性のない状況で終わるのが一番いいんですよ。だけども常にチャレンジとカバーが成立しているような状況を我々は作っていかないといけないので。だからこそ思いきってオンのところでチャレンジできると思うので、ここは1人というよりは組織で守れるような統率を、彼は取ろうとしてくれているので期待しています」
剣が峰に立たされたヴェルディは広島戦の反省を生かせるのか。今後を占う大きな6ポイントマッチとなりそうだ。【佐藤隆志】



