FC町田ゼルビアのベテランFW中島裕希(41)が、天皇杯制覇へ照準を合わせた。20日、都内で天皇杯決勝のヴィッセル神戸戦(22日、国立)に向けて調整。クラブ最古参としての思いを語った。

16年に加入してから10季目。J2の中位や下位が定位置だったクラブは23年シーズンから加速度的な成長をとげて、J屈指の強豪まで駆け上がった。その快進撃を、やや驚きとともに受け止めている。「ついていけていないですね、その成長スピードに(笑い)。それはそうですよ、J2優勝して、J1初年度で3位でACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)出て、次は天皇杯の決勝ってすごいスピード感を持って成長してきた」。

在籍年数が伸び、クラブ変化を実感する。「見ればもう」と立派な練習グラウンドを指さして笑った。その上で「現役の代表選手だったり、いろいろな選手が町田に来ていただいて本当にうれしく思いますし、このクラブが成長するところに自分もずっと在籍できたところはすごくうれしく思う」とうなずいた。

J2モンテディオ山形時代の14年に天皇杯決勝に進出した経験がある。相手はその年に3冠達成するガンバ大阪だった。「ボコボコにやられました。メチャメチャ強かったです」と苦笑いで振り返りつつ「その経験もあるので、悔しさはあるし、ぜひ今回はみんなで勝ち取りたいなと思いますね」と力を込めた。

さまざまな人の思いを背負って決勝を迎える。

「環境が悪かった時は悪かった時で楽しかったし、みんなで一丸となってしっかりモチベーション持って自分たちの結果で環境を変えるという感じで、みんなでやってきた。もちろんこのクラブの先人たちのおかげで今があると思っているので、そういった人たちにも感謝の気持ち、タイトルを取って一緒に喜びを分かち合いたいと思います」

初タイトルがクラブにもたらす影響は大きい。「このクラブはまだまだ成長していくクラブ、このタイトルという経験が絶対に後々生きていく。ぜひここで取れるときに絶対に取りたい」。今季は分厚い選手層に阻まれて、出場機会は少ないが、その経験値をチームに伝え、何としても栄冠をつかみ取る。【佐藤成】