歴史あるFAカップ。1871年に創設された世界最古のサッカー大会、そのトロフィーが東京・国立競技場にやってきた。
「エミレーツFAカップ」トロフィーツアーが日本で実施され、現在5代目となる本物のFAカップとともに天皇杯、FAシルバーカップが並んで展示。現役時代にFAカップを戦った元日本代表の稲本潤一氏(46)、李忠成氏(40)が特別トークセッションを行った。
稲本氏は現役時代にプレミアリーグのアーセナル、フラム、ウェストブロミッチ、チャンピオンシップリーグのカーディフに所属、李氏はプレミアリーグのサウサンプトンでプレーしている。ともにFAカップへの出場歴があり、稲本氏は04年にルーニーがいたエバートンを相手に得点も決めている。
稲本氏は「日本にFAカップがあるのはすごく不思議です。多分、1度アーセナルの時に持ったことがあるんですけど、重みはありましたね」。李氏は「僕の場合はチェルシーと確か5回戦くらいで当たって負けてしまった。もう影すら見ることもできなかったので、本物はでかいですし、すごく重みがありますね」と話した。
3つ並んだトロフィー。FAカップは高さ約62センチ、幅35・5センチ、重さ約9キロある。その隣には、天皇杯とFAシルバーカップ。その3つのトロフィーは縁が深い。
イングランドのサッカー統一団体「FA」は、1863年に創設された世界最古の競技連盟。1919年、日本にはサッカーを統括する協会は存在していなかった。そうした中、FAから「FAシルバーカップ」が寄贈されたことを契機に、1921年に大日本蹴球協会(現日本サッカー協会)が設立。協会設立後、全国規模の大会が開催され、その優勝チームには初代FAシルバーカップが授与されるようになった。そして1947年(昭22)3月、東西対抗試合が昭和天皇による観覧試合になり、48年7月2日、宮内庁を通じて日本サッカー協会に天皇杯が下賜された。51年より全日本サッカー選手権大会の優勝チームに天皇杯が正式に授与されることになり、大会名称も「天皇杯」として定着した。
くしくも4月4日、5日にはFAカップの準々決勝が行われるが、李氏の古巣サウサンプトンはホームで稲本氏の古巣アーセナルと対戦する。
稲本氏は「サウサンプトンからしたらモチベーションは高い。ただアーセナルの選手はイングランド代表チームから先に帰ったので、多分そこに向けて調整していると思うので、ガチメンバーでいくと思います。油断もないと思います」。
一方の李氏は「サウサンプトンはロンドンから電車で1時間半くらいの田舎町です。(スタジアムの)収容人数も3万人くらいですごくコンパクトなので、本当に地元の人たちの喜ぶ顔が目に浮かびます。僕は是非勝ってほしいなと思います」。
そのスコア予想を問われると、稲本氏は「2-0でアーセナル。(守備ラインの)サリバ(フランス代表)とガブリエウ(ブラジル代表)の牙城はきついと思うので」。李氏は「1-0っすよ。奇跡を起こすしかないので、頑張ってほしいです」。そのサウサンプトンには元FC東京の松木玖生が所属しており、活躍が注目される。
また、稲本氏と並んで登壇した今回のトロフィーツアー担当のオリビア・ブザグロ氏が、珠玉のエピソードを披露した。
「私の名前はブザグロと行って、実際に私の父は格下のチームのメンバーだったんですけど、それが91年に稲本選手も所属していたウェストブロミッチに4-2で勝ちました。しかも父がハットトリックを決めました。なので私にとっても、FAカップっていうのは特別なものではります。お二人にはこのエピソードをシェアしたかったです」
プロアマ問わず、イングランドの約700のチームが参加して聖地ウェンブリーで行われる決勝の舞台を目指す大会。一発勝負ゆえの番狂わせがこの大会の魅力だと伝えた。



