戦国浦和のスタメン争いの陣がいよいよ始まる。今日13日、J2鳥栖とのプレシーズンマッチを皮切りに、開幕まで5試合が組まれる予定。ゼリコ・ペトロビッチ監督(45)は、実戦練習の中で、メンバーを見極めると明言した。激戦区の攻撃的MFを始め守備の最終ラインなどで新旧の争いが繰り広げられている。王者奪還を狙う勝負の年の開幕スタメンを勝ち取るのは、誰だ。

 開幕まで残り1カ月を切り、スタメン争いののろしが上がった。浦和は13日、鳥栖とのプレシーズンマッチに臨む。2月中に行われる予定の5試合で、選手を見極める。ペトロビッチ監督は「(実戦は)それ以上は必要ない。競争を激しくし、メンバーを絞る意図でこなしていく」と、宣言。練習にも罰ゲームを用意するなど勝負にひたむきな監督だが、今後は「内容にこだわりたい。チームとして選手の意識を確認する。意識を持つことが重要」と、話した。

 現時点で、1トップのエジミウソンに、新潟から獲得したトップ下のマルシオ・リシャルデス、ボランチの日本代表柏木はほぼ当確。しかし、それ以外は若手の成長などで戦国状態。オーストラリア代表のスピラノビッチや、新加入のDF永田も先発の保証はない。特に、左右の攻撃的MFは、共に3人以上の候補者がおり、しのぎを削る。右にはFW田中、FWエスクデロ・セルヒオの常連から、新加入FW原のFW陣。左にはMF梅崎やMF高橋らも戦線に加わり、層を厚くしている。この状況には広瀬コーチも「自然と競争できる環境。選手から戦うんだという自主性が出ている」と、納得の表情。

 この日までに、ポジションごとのミーティングを行い、意思統一は図ってある。監督が各ポジションごとに選手を集めて個人の意見を聞き、監督の意思も選手に伝えられた。FW原口は「監督が言っていることは1つ。サイドの1対1を仕掛けること。ボールを受けたら常に仕掛けることを意識する」と、やる気を見せる。07年ACL優勝以来遠ざかっているタイトルに向け、好スタートを切ることができるか。勝負は既に、始まっている。【保坂恭子】