日本サッカー協会最高顧問の岡野俊一郎氏(81)が30日、文化功労者に選ばれた。ひとつの競技にとどまらずにスポーツ界の要職を歴任。「スポーツ界で文化功労者に選ばれたのは、数々の輝かしい功績を残された方々ばかり。記録も何も持たない私のような者がこのような栄誉に浴して良いものかどうか」と、日本サッカー協会を通じた談話で控えめに喜びを表現した。

 選手時代は日本代表国際Aマッチ2試合に出場。指導者としては68年メキシコ五輪に代表コーチで臨み、銅メダルの快挙に貢献した。その後は日本協会会長などスポーツ組織運営に携わった。故長沼健元会長らと、観客が少なく人気のなかった日本サッカー界を支えて現在の隆盛を導いた。国際的に幅広い人脈を持ち、日本オリンピック委員会(JOC)理事や国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めた。2002年サッカーW杯日韓大会の招致、開催にも尽力した。