山形MFディエゴ(30)が千葉・館山キャンプ4日目の29日、チームに初合流した。約1カ月半ぶりの仲間との再会を喜びながら、軽めのランニングで約30分間の調整。昨季14ゴールを決めたチーム得点王は、J1でも上位進出に導く活躍を誓った。

 1年前のキャンプ時とは比較にならないほど引き締まった体のディエゴが、笑顔でグラウンドに姿を現した。ビザ取得手続きの関係で19日の始動に間に合わず、キャンプ4日目でようやく合流。移動の疲労も考慮して軽めのランニングだけにとどめたが「みんなと(練習を)できない期間があったので明日からしっかりやりたい」と意気込んだ。

 仲間との再会を心から喜んだ。新加入のMFアルセウとは同い年で、母国ブラジルの名門パルメイラスの下部組織でチームメートだった。全体練習後もしばらく談笑していたが「ホテルに帰ったら山ほど話すことがあるよ」と白い歯を見せた。日本人選手とも1人1人がっちり握手。オフ中に前髪を茶色く染めたMF伊東には「髪だけカッコいいね。あ、フェイスもだね」と流ちょうな日本語で冗談を飛ばして笑いを誘った。

 シーズン中と変わらぬ体つきと明るい表情を見せたことで、周囲の心配を吹き飛ばした。石崎監督は「ブラジルでも(自主トレを)やってたと言ってるし、アルセウが急にしゃべるようになったな」と目を細めた。本格的な練習合流については「ブラジル人は少しでも動けるなら『やらせろ』って言ってくるから。ケガしないように確認しながらだね」。開幕戦に照準を合わせている助っ人に、無理をさせるつもりはない。

 昨季はチームトップの14得点でJ1昇格に導き、天皇杯準優勝にも大きく貢献した。それでも指揮官は「去年は外しまくったからね。決めるところで決めてほしいよ」と、さらなる活躍を期待する。ディエゴも「リーグ戦、ナビスコ杯、天皇杯と3つの大会で上に行きたい」と気合十分。山形の浮沈のカギは、この男が握っている。【鹿野雄太】