プレミアリーグのクリスタルパレスが悲惨な状況に陥っている。

 リーグ戦・第7節まで終了し、ハダーズフィールド、リバプール、スウォンジー、バーンリー、サウサンプトン、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドに敗れて0勝7敗。

 内容がまたひどく、実はまだ1点も奪えていない。得失点差は0得点、17失点のマイナス17という、散々な成績なのだ。

 追い打ちをかけるようにマンチェスターC戦でFWベンテケが膝の靱帯(じんたい)を負傷し、戦線離脱。さすがにマズイと、クラブは戦力補強を画策した。

 9月末の英メディアでは「クリスタルパレスがフリーエージェントとなっている元イングランド代表FWリッキー・ランバート(35)に食指を伸ばしている」とさかんに報じられた。

 ランバートはリバプールのユースで育ち、日本代表DF吉田麻也とチームメートとなったサウサンプトンでは通算207試合で106ゴールと活躍。14年W杯ブラジル大会のイングランド代表にも選ばれた。

 しかし「クリスタルパレスがランバート獲得か?」と報道されたわずか数日後の10月2日。同FWはあっさり引退を表明してしまった。

 ランバートは「浮き沈みのあった選手生活でしたが、サウサンプトン、リバプールといったクラブを代表し、W杯で母国のためにプレーできるなんて、夢にも思いませんでした。今後は夫として、父親として、家族とともに少し休暇を取り、将来的には多くのことを与えてくれたサッカー界に恩返しがしたいと思います」との声明を発表した。

 それにしてもお先真っ暗なのはクリスタルパレス。獲得を検討していたランバートに引退され、これからどうチームを立て直していけばいいのか。とにかく、何でもいいから早く1点を取りたいところだ。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)