長谷部誠と鎌田大地が所属するアイントラハト・フランクフルトのDFマルコ・ルスが、今シーズン限りで現役生活にピリオドを打った。ユース時代も含めれば、同クラブで過ごした期間は22年半。しかしプロ生活最後の試合となった最終節パーダーボルン戦で、ルスに出場機会は与えられなかった。(※試合は3-2でEフランクフルトが勝利)

この件について、大衆紙「ビルト」のフランクフルト番記者2人が、正反対の考えを示している。

賛成意見を語ったのはローランド・パルマート記者。「マルコ・ルスは2016年に悪性腫瘍を克服し、2018年にはドイツ杯を勝ち取り、2019年には欧州リーグ準決勝にも到達した。空っぽのスタジアムで行われたパーダーボルン戦、彼は拍手喝采をもらえなかった。センチメンタリズムに異を唱えるわけではないが、最後の1試合まで勝つためにすべて尽くすという、ヒュッター監督の新たな姿勢だと私には思えた」と記し、勝利を追求した指揮官に同調した。

これに対し、「ヒュッター監督、あなたは間違っている」と論じたのはウルリカ・ジッケンベルガー記者で、「どうしても勝利したいという監督の考えも、もちろん理解できる。それが彼の仕事であり、そうすることで給料をもらい、それこそがプロフェッショナルである」と前置きしつつ、「しかし時には、それ以上に大事なものもある。お金のことばかり重要視されがちな今のサッカー界だからこそ、そしてEフランクフルトが伝統を重んじるクラブであるからこそ、リスペクトと感謝の意味でもマルコ・ルスと(同じく今季限りでの引退を表明した)ジェルソン・フェルナンデスを、少しでもピッチに立たせるべきだった」と主張している。