ポルトガル代表クリスティアノ・ロナルド(32)が、所属するレアル・マドリードを退団することが現実的になっている。スペインメディアが一斉に報じた。現在、同選手はコンフェデレーションズ杯を戦うため、ポルトガル代表メンバーとして開催地ロシアにいるが、もうスペインに戻る意思がないという。

 スペイン紙マルカでは、ロナルドが今回の決断に至った経緯は複数の要素があると報じた。スペインの検察局から1470万ユーロ(約18億4000万円)の脱税容疑をかけられており、スペインの生活にうんざりしている。また、今回の検察の告発に対してクラブは公式声明を発表するだけで、ロナルド自身が十分なサポートを受けていないと感じており、告発を受けたことは、クラブにも責任があると考えているという。

 その他の要因には、かねてスペインでの自身の扱いに不満があったという。Rマドリードのサポーターに対して2度、「ブーイングをしないで欲しい」と不満を述べ、古巣マンチェスター・ユナイテッドのサポーターを「恋しい」とコメントしている。さらに、リーグ戦優勝を決めたマラガ戦後には「まるで自分は犯罪者のような扱いを受けている」と、ミックスゾーンでスペインのメディアの対応に不満を爆発させている。

 ロナルドはポルトガル代表のチームメートに「Rマドリードを退団する。考え直すことはない」と伝えているという。移籍先の候補として、マンチェスターUとフランス1部パリサンジェルマンが挙がっている。同選手の違約金は10億ユーロ(約1250億円)となっているが、現実的な移籍金は2億ユーロ(約250億)になると伝えた。

 Rマドリードはロナルドの引き留めを考えているが、説得できない場合は、他クラブと交渉を行うことになる。マルカ紙によると、移籍金2億ユーロの他に、ロナルドの年俸を削減できるという。同選手は21年まで契約があり、年俸は5000万ユーロ(約62億5000万円)で、4年で計2億ユーロとなる。移籍金と合わせて4億ユーロ(約500億円)のコストカットなると報じた。