3試合ぶりのスタメンとなったDF吉田麻也がキャプテンマークを巻き、3バックの右で首位マンチェスター・シティーに挑んだが、試合終了直前の失点で1-2で敗れた。

 吉田は及第点以上の働き。前半34分には左足のボレーシュートを放ち、後半42分以降は、負傷で退いた右サイドバックのソアレスに代わり右センターバックも務めて試合を終えた。

 以下は吉田との一問一答。(取材・山中忍通信員)

 -ラストミニッツに決勝ゴールを奪われた

 吉田 悔しいっすね〜。まあでもそこなんですよね。優勝争いに食い込んでくるだろうチームの底力を感じました。僕らは徹底して守備を。11人中9人くらいが守備的な選手で、かなり割り切ってプレーしてたんですけど。まあ、後半の頭と最後だけですね。

 -欧州の中でもトップクラブになってきたマンCを相手に形は作っていた

 吉田 形と呼べるかなんですけど、こういうのも1つのサッカーの戦い方だと思う。前半はうまく徹底してやれてたんですけど、90分間続けられなかった。ベルギーとかブラジルとかもそうですけど、レベルが高ければ、そういう本当に些細なところが勝敗の境目になってくると思う。

 -奥の深いところを見たという感じ?

 吉田 個人的には、代表(戦)から帰ってきてから試合をしていなくて、また、こういう代表戦の時と同じようなレベルの高いチームとやることができて、いろんなものを吸収できているんじゃないかと思います。デブルイネなんか、代表の時(先の親善試合ベルギー戦)とは全く別人のようだった。フットボールは不思議だなと思いましたね。

 -(前半は)いいチャンスもサウサンプトンの方が多かった

 吉田 カウンターからっていう。日本(代表)と一緒ですよね。(今日の)戦い方は。

 -今日のマンCで一番嫌だった相手の選手は?

 吉田 オタメンディ?(笑)。全員、やっぱり(高い)能力があるから。いい形でボールを持たれ怖いっすね、やっぱり。

 -今日の敗戦は引きずってしまいそうか、それともバネにできそうか?

 吉田 バネにしなきゃいけないですね。でもこういう戦い方ができるんだというのは認識できたし、監督にも見せられたので。まあオプションの1つになるんじゃないかと思います。

 -いい3バックだった

 吉田 ただボールを持った時に、今日は相手がマンCだったこともあるけど、選択肢がなさ過ぎて(苦笑)。でもシティーのプレッシングの掛け方とか、切り替えの速さ、カウンターの速さや質は本当に僕らが日本代表で参考にしなきゃいけないチームだなと思いました。

 -前より落ち着いてと言うか、今日はキャプテンも

 吉田 キャプテン、嫌やだよ。俺、めっちゃ噛むもん、円陣で(苦笑)。何で噛むんだろう。

 -あんまりチームとして積み上がってきていなかった中で、1つはまりそうな形ができたのは大きかったのでは。もちろん、負けなければもっと良かったが

 吉田 接戦が続いていても負けていたら意味がないから。次のボーンマス戦とか、そういう自分たちと同じか下の順位のチームを叩いていかないと。12月は、かなり対戦相手が厳しいので。その中で上位チームにも勝っていければ良いと思います。

 -3バックは今後も続きそう?

 吉田 どうですかね。よくわからないです。監督がどう思ったかじゃないですかね。

 -1年目で監督がまだ試行錯誤している

 吉田 それはあると思います。

 -その試行錯誤の中でスタメンに入ったり、入らなかったりしているが、気持ち的には良い部分を保てているか。

 吉田 腹を立てることにエネルギーを使うより、自分がベターな選手になれることに、どうやったらそうなれるかのを(自分が)試行錯誤することに(エネルギーを)使いたいなと思います。その方が時間を有効に使えるし。僕のキャリアも残り、限りが見えてきたので。

 -人間としても円熟しているのでは

「いやあ、どうですかね!」

 -マンCはこれでリーグ14戦無敗

 吉田 惜しい! (前半34分の)あの左足を決めていれば…。ジャストミートしたんだけど、走り始めた足にボールが来たから。走っている距離とあわなかった。

 -マンCの強さはどこか

 吉田 プレスと切り替えの速さかな。あとはクオリティーの高さ。やっぱり(今季プレミアでも)ちょっと抜けているな、と。でも去年もグアルディオラ1年目で、でも明らかにオタメンディとかフェルナンジーニョとか、元々能力は高かったと思うが、明らかにいい選手になっている。やっぱり監督のすごさが出ているんじゃないかと思う。キーパーが超うまい、びっくりした。