名古屋グランパスからこの夏移籍したAZのU-20日本代表DF菅原由勢(19)がリーグ開幕デビュー弾を決めた。ホームでのシータット戦に右サイドバック(SB)で先発してリーグ戦初出場を果たすと、3-0の後半38分にチーム4点目を決めて初得点を記録した。前日3日にデビュー弾を決めたトウェンテの19歳FW中村敬斗に続き、2日続けて東京オリンピック(五輪)出場を狙う19歳の2人がオランダで躍進した。

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今度は菅原が輝きを放った。7月25日欧州リーグ予選2回戦第1戦のヘッケン戦で後半14分から途中出場して、公式戦2試合目となった開幕戦で初先発を勝ち取ると、前半から積極的に攻撃参加をして存在感を発揮。3-0の後半38分、フリーランニングでペナルティーエリア(PA)内に進入すると右からのグラウンダークロスを右足で合わせて移籍後初ゴールを決めた。「諦めずに走り続けることで、ああやってボールが転がって来るということを実感できた」と、中村に続く開幕デビュー弾を振り返った。

右SBでプレーしながら、主戦場とする同じサイドからの右クロスをPA内で待ちかまえる神出鬼没なポジショニングで奪った初ゴールだった。欧州主要リーグの開幕戦で初出場初得点は、尾崎加寿夫(当時ビーレフェルト)、中田英寿(同ペルージャ)、そして前日の中村に続き日本人4人目となる快挙となった。

U-15から各世代別の日本代表に入り、18年4月に17歳で名古屋とクラブ史上最年少でプロA契約を結んだ東京五輪世代の注目株が開幕戦で頭角を現した。

「自分の持っているものの先を目指さなきゃいけないという気持ちでやっている。練習からどんな時でも、上を目指してやりたい」と意欲十分。A代表に定着しているフローニンゲンMF堂安を筆頭に、同DF板倉やズウォレDF中山、スペインではRマドリードMF久保やバルセロナMF安部らとともに、東京五輪世代が欧州の舞台で躍進する。

◆菅原由勢(すがわら・ゆきなり)2000年(平12)6月28日、愛知県豊川市生まれ。ASラランジャ豊川から名古屋の下部組織に所属。18年2月23日にJリーグ出場資格のある2種登録され、翌日のリーグ開幕戦(G大阪戦)で先発してフル出場を果たした。同年4月6日にクラブ史上最年少となる17歳10カ月でプロA契約を結んだ。19年6月18日にオランダの強豪AZに1年間の期限付き移籍。U-15から年代別の日本代表に選出。179センチ、67キロ。