ボローニャの日本代表DF冨安健洋(20)がセリエA開幕戦に右サイドバックでフル出場した。試合は1-1で引き分けた。

ボローニャは前半13分に相手DFダビドビッチのファウルからPKを獲得。同選手が一発退場となる中、アウェーで幸先よく先取点を奪った。だが前半36分にFKからゴールを奪われ、1-1と追いつかれた。

冨安は的確なポジショニングから相手パスをクリアするなど安定したプレーを披露。後半37分にはMFサンタンダーからパスを受け、ゴールまで25メートルの位置からミドルシュートを放ったが、相手選手にクリアされた。

結局、両チームともに攻め手を欠き、前半に両チームがセットプレーから決めた得点だけで、ドローに終わった。

冨安は開口一番、「勝たないといけない試合だったと思いますし、相手が10人になった中で、僕たちがどう崩していくかっていう工夫が足りなかったんじゃないのかなというふうに思います。もっとできたことがあると思うし、僕自身もそうですけど、もったいなかったなあと思います」と話した。

新天地をイタリアに求めて1カ月がたった。周囲とのコミュニケーションについては「まだイタリア語がしゃべれないんで、英語でコミュニケーションをとっている段階ではありますけど、イタリア語も他の国から来た英語圏の人たちと一緒に勉強してるんで、そこも早くうまくなっていかなければいけないというふうに思っています」と前向きに話した。

7月に白血病を公表して闘病するミハイロビッチ監督が、チームに同行。冨安は初めての対面だった。「まだボローニャに来る前に、スカイプでですけど、話しする機会を設けてもらって、そこでは話したんで。でも実際に生で会うのは初めてでした。監督のために勝たないといけないというふうに僕自身も思いましたし、チームの雰囲気っていうのもそうでしたけど、それが形にならなかったんで、悔しいです」。

開幕戦にフル出場。かつて世界一タフなリーグとも呼ばれたセリエAを体験し、「早い段階で相手が10人になっちゃったんで簡単には言えないですけど、球際の激しさももちろんありますし、ベルギーの時よりも体の打撲っていうのは今日1試合やっただけでもあるんで、そこの球際の激しさっていうのはあるんじゃないかと思います」。

初戦を白星で飾ることはできなかったが、新たな1歩を踏み出した冨安は、今後への確かな手応えを感じているようだった。

(西村明美通信員)