【パルマデマジョルカ(スペイン)11日=高橋智行通信員】スペインリーグのマジョルカに所属するMF久保建英(18)が、待望のリーグ初ゴールを決めた。10日の第13節ホームのビリャレアル戦に先発し、後半8分にミドルシュートを決めた。全3得点に絡む大活躍に、ビセンテ・モレノ監督(45)や現地紙も絶賛に次ぐ絶賛。一気にブレークする予感も漂わせながら、東京五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表に合流する。

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鮮烈な印象を残した18歳に、スペイン国内からも称賛が続いた。全国紙のマルカは「(久保)タケが後半、ビリャレアルに敗北を宣告した」と、決定的な働きを見せたことを強調した。同様にアス紙も「PKを誘発しスーパーゴールを決め、高いクオリティーを示した」。ともに、この試合での出場選手の採点で唯一、最高となる3点をつけた。

またマジョルカの地元紙も軒並み高評価。ウルティマ・オラ(電子版)は「タケ・クボが偉大な主役だった」と大絶賛。ディアリオ・デ・マジョルカ(電子版)も「クボがビリャレアル相手に爆発した。マジョルカの選手として最高のパフォーマンスを披露した」と賛辞を惜しまなかった。

加入後はベンチスタートが続く期間もあったが、前節から勝ち取ったスタメン。2試合目で最高の結果を残した。モレノ監督は「あのゴールは我々に落ち着きを与えてくれるものになった。終盤、最高の形で臨むことができた」と、試合を決定づける1発に称賛を惜しまなかった。続けて「久保がスタメン出場し、我々が勝利した初めての試合。彼は素晴らしい選手だし、もっと良くなるだろう」と、今後のさらなる成長にも期待を寄せた。

10試合目は縁起のいい数字だ。今夏までプレーしたJ1FC東京でも、初得点までは開幕から10試合を要した。しかしそこから2戦連発、その後も複数得点を記録するなど、上昇気流に乗った。

マジョルカに入団以降、最高と言えるパフォーマンスを見せた久保。スペイン国内でも一気に存在感を増した。「ゴールは僕に命を与えてくれるもの。毎晩あの瞬間を夢見ていましたし、それがやってきた。とてもうれしい」。自分をほめない男が、素直に喜びを表現した。近日中にU-22日本代表に合流する。17日の国際親善試合キリンチャレンジ杯同コロンビア戦(広島)で勢いを加速させる。