B組のトットナムは、ホームでオリンピアコスを4-2で下し、1試合を残して2位での決勝トーナメント(T)進出を決めた。

1-2の後半5分にボールボーイからの“カウンター”で同点。直後にモウリーニョ新監督がハグしに行き、会見では少年の立ち居振る舞いを大絶賛した。また、エースFWケーンが2得点を決めて欧州CL通算20得点に到達。24試合目での達成は、元ユベントスFWデルピエロの26試合目を上回る最速記録となった。A組のRマドリードは2位で、C組のマンチェスターCは首位での突破を確定させた。

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ボールボーイがトットナムを救い、世界的名将で新指揮官のモウリーニョ監督を喜ばせた。1点を追う後半5分、ボールがタッチラインを割った直後、相手の守備が整っていない状況でボールボーイが素早くDFオーリエにパス。スローインを受けたFWルーカスのクロスをケーンが右足でたたき込んだ。ボールが外に出てからわずか「7秒」の高速カウンター。逆転勝利のキッカケとなる貴重な同点弾はボールボーイから始まった。

まさに完璧な仕事だった。得点直後、モウリーニョ監督はボールボーイに駆け寄り、笑顔の少年とがっちり握手してから抱擁を交わして感謝を伝えた。BTスポーツのインタビューで「彼は素晴らしかった。試合の流れを読み、重要なアシストを演出したんだ」。決勝T進出へ導く一端を担い、ケーンの最速記録を“演出”する活躍をしたボールボーイを大絶賛した。

「私も、10~16歳の頃、素晴らしいボールボーイだったよ」と上機嫌の指揮官は、Rマドリードやインテルミラノなどを含め、6クラブを決勝Tに導いた初めての監督となった。試合後に「少年をロッカールームに呼んで、みんなで祝おうとしたが、彼はすでにいなかった」と、勝利の立役者を呼べなかったことを残念がったが「彼の仕事ぶりを忘れることはないだろう」とコメント。モウリーニョ監督の中でもっとも大きな分岐点となる場面を“12人目の選手”となったボールボーイが引き出した。