欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦の第1戦が2試合行われ、前回準優勝のパリ・サンジェルマンが、バルセロナに4-1で快勝した。前半に先制を許したが、フランス代表FWキリアン・エムバペ(22)のハットトリックの活躍で、準々決勝進出へ王手をかけた。第2戦は、3月10日(日本時間11日午前5時)に行われる。一昨季王者のリバプール(イングランド)は昨季4強のライプチヒ(ドイツ)を2-0で破った。

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バルセロナのホームスタジアム・カンプ・ノウが、独特な雰囲気に包まれた。その原因はFWメッシでも、FWグリーズマンでもなかった。敵地に乗り込んだパリ・サンジェルマンの「神童」が、主役となったのだ。バルセロナのクーマン監督が「特にエムバペがね」と、フランス代表FWの活躍に脱帽するしかなかった。

面白いようにエムバペにボールが集まる。2点リードの後半40分。左サイドを駆け上がると、ペナルティーエリア左でボールを受け、ダイレクトでゴール右隅へ。相手GKの位置を計算し、きれいな弧を描き、ハットトリックを決めた。1点目はペナルティーエリア中央でラストパスを引き寄せ、2点目は相手DFのクリアミスを拾った。ともに左足での豪快なシュート。3点目は、待ってましたと言わんばかりに、利き足の右からゴールを奪った。

4年前の悪夢を振り払うかのような、豪快なゴールラッシュだった。17年はホームでバルセロナに4-0で勝利したが、敵地で大逆転を許した。この試合、ブラジル代表FWネイマールが故障でベンチ外の状況だったが、エムバペが「鬼門」のアウェーで大車輪の活躍を見せた。

第2戦(セカンドレグ)は、3月10日(日本時間11日)。主将のマルキーニョスが「僕たちはミスから学んだ。試合はまだ90分が残されている」と言えば、1月から指揮を執るポチェッティーノ監督も「相手には素晴らしい選手がいる」。前回準優勝チームに、浮かれる様子はない。ホームでも、エムバペを中心に圧倒する。